忍者ブログ
映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「手紙」
手紙 スタンダード版 [DVD]

2006年/日本/監督:生野慈朗/原作:東野圭吾/出演:山田孝之、沢尻エリカ、玉山鉄二、吹石一恵、田中要次、吹越満、尾上寛之

公式サイト:ttp://www.tegami-movie.jp/

幼い頃から、二人きりで暮らす直貴と剛志の兄弟。直貴の大学の学費のため、兄・剛志は思い余って、出来心で大きな邸宅に忍び込み、ばったり出会ってしまった住人を、誤って殺してしまう。
以来、刑務所で暮らす剛志から、毎月のように直貴のもとに手紙が届く。
でも、「犯罪者の弟」というレッテルを貼られて、辛い日々を過ごす直貴には、だんだん兄を思いやることができなくなっていく。

剛志の人間性とか。
どういう経緯で人を殺してしまったのか。とか。
そういうことは、事情を知っても、やっぱり擁護するわけにはいきません。

でも

辛い。やりきれない。そんな思いでいっぱいになります。
剛志の痛みと、直貴の痛みと、由美子の強さと。

人間の弱さが、すごく露出した作品でした。

現実の中で戦っていく強さ。その現実の厳しさって、人によって違うかもしれません。でも、これが、ここが、私の現実。この現実の中で、しっかりと足を踏みしめて、道路の真ん中を堂々と歩いていくしかないのです。

強くなりたい。
と、心から思いました。

ラストは、涙が溢れて止まりませんでしたよ。
つか、あのタイミングでの、あの曲は反則(笑)!あの曲、某CMで飽きるくらい聴いてますけど、それでもあの曲を聴くだけで、今でも泣けますもの。
主にあのラストで号泣して、顔を洗いに洗面所へ行ったら、ここ1年で1番凄い顔になってました(笑)。や、泣きすぎだって(笑)。

それにしても、フキコシが出てるとは知らなかった。や、チェックして知ってたけど忘れてました(笑)。
被害者の家族の役だったのですが、お葬式の場面で、声が裏返ったのにうっかり笑ってしまいました(笑)。笑う場面じゃないんですけどね・・・だってフキコシなんだもん・・・彼は過剰な演技をしすぎなの!そこが好きなんだけどv
PR
「陽気なギャングが地球を回す」
陽気なギャングが地球を回す プレミアム・エディション [DVD]

2006年/日本映画/監督:前田哲/原作:伊坂幸太郎/出演:大沢たかお、鈴木京香、松田翔太、佐藤浩市、加藤ローサ、大倉孝二、光石研、松尾スズキ、古田新太、大杉漣

ファンタジーでしたね。
私は原作未読どころか、原作者の書いた作品は全く読んだことないです。人気ある作家さんですなので、興味はあるんですけど。
しっかし・・・笑えるほど、観た方の評価がひどい(笑)!特に原作者のファンの方にとっては残念な結果だったんでしょうねぇ。
うん、でも、原作未読の私からしてみると、結構楽しかったですよ。
このご時世に銀行強盗?!しかも変わった能力保持者って・・・チープな設定だなぁ、とは思ったんですが、観ているうちに設定の中に入り込んでしまうと、そのチープさが何とも心地よい。
その心地よさこそが、この映画の良さだったと思います。
途中でやめてお風呂入るはずだったのに、思わず最後まで観ちゃったくらい面白かったです。

でも確かに、これは文字の方が入り込みやすかったかもしれませんねぇ。
ファンタジーを映像化するのって本当難しいと思いますよ。文字よりずっと、直接的な伝達ゆえに。
私としては、結構上手く作ったほうではないかと思うんだけど(上から目線か)。

キャスト的にはもう、すごい好みvv佐藤浩市さんに大倉さんですよ。大倉孝二の表情の切り替わりとかすごい良かった!
「ディア・ドクター」
2009/日本映画/監督・脚本・原作:西川美和/出演:笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、八千草薫

公式ページ:ttp://deardoctor.jp/

「訴えられるのは私の方かもしれません。」

映画館にて観賞。
人が良さそうで人の和にスッと入る人物で、それでいてなんだか胡散臭い。この映画の主人公は、鶴瓶師匠にしかできなかっただろう、と思いました。
都会から隔離された農村で、一人の医師(笑福亭鶴瓶)が失踪するところから、物語は始まる。村人たちのほとんどが老人。この村の中で、彼は村人から神さまのように大切に扱われていた。
彼の行方を調べる刑事二人。
しかし、彼のことを調べれば調べるほど、彼についての不審な事実が判明してくるのでした。

いくつかの嘘が引き起こす物語。ネタバレ部分は反転↓
でも彼らは、本当にしたかったのかもしれない。
どこかで分かっていて、それでも彼の存在は必要だった。
そういえば後になってから思い出したの。
あのときも あのときも あのときも

ああ、そうか。見ない振りをしていたんだ。

そうだよね。特に医療に関わる人であれば、いくら研修医であっても分かるもん。
伊野医師が村から逃げていく後姿を見つめる子供の目が印象的でした。
もしかしたら、本当は色々言われていたのかもね。各家庭では。怪しい、と。それでも、外では絶対それを言わなかった。それを言って何かが壊れることを恐れていたのかもしれません。
土砂崩れの事件のときは、本当に怖かったでしょう。
余さんも瑛太くんも。あ、香川さんもね。この3人は確実に知ってましたよねぇ。
余さんの崩れ落ちるように座った姿。
もし、あのとき患者が亡くなっていたら。あの事件で、彼女は自身の罪を思い知ったことでしょう。
でも・・・

あの村に、伊野はどうしても必要だったんです。

井川遥がラスト近くで言ってた、「彼ならどう母を死なせていたか。」ということ。
先進医療でベッドに縛り付ける都会の医療。
変わらぬ日々を過ごし、できるだけ痛みを和らげてあげる。

わざと誤診をするという罪。
でも、彼は楽な道を選んだのではない。
頻繁に患者の家に通い、様子を聞き、点滴をする。それは設備の整った病院で目の届くところに置いておくよりも大変なことです。
毎夜、物凄い量の勉強をしている(書物からしても、多分瑛太くんには伊野がプロではないことが分かったかもしれませんね)。

勿論、それらの嘘は決して許されることではないでしょう。
許したら、それはそれで何かが壊れる。
だから、村人たちは伊野がニセ医者だと判明してからは全く彼をフォローしなかった。瑛太くんもね。
でも、気づきたくなかった。
本当は判明して欲しくなかった。
騙されていたかった。


んですよね。

瑛太くんがこの村に帰ってきたいと言ったのも本心、伊野がニセモノであると主張したにも関わらず、そうと認めなかった。認めてあげなかった。
伊野は、瑛太くんにもバレてるって分かってて、その上であんなことを言う瑛太くんに腹を立てたのでしょうか。
からかってるのか、それとも良心の呵責を感じさせたいのか。と。
でも、瑛太くんの言い方が、「そういうことにしておきましょうよ。ここにいてくださいよ。」という意味だと分かって、しょうがないやつだ、と微笑んだのかもしれない。


白とか黒とか、そういうはっきりした区切りはつけられない映画でした。
でも、最後に伊野がああいう形で八千草さんのもとに来たのは、彼は彼にできる責任の取り方で、最後まで彼女を看てあげたかったのでしょう。そう思いたいです。
「変身」
変身 [DVD]

2005/日本/監督:佐野智樹/原作:東野圭吾/出演:玉木宏、蒼井優、佐田真由美、山下徹大、松田悟志、釈由美子、北村和夫

公式ページ:ttp://www.henshin.cc/

サスペンスなのか、ラブストーリーなのか。
両方の要素を兼ね備えた、エンターテイメント性の高い作品でした。
原作がすごいんだろうなぁ。ちょっと、突飛すぎるところもありましたが、長い作品を短くまとめたのかもしれません。

銃弾を受け、世界初の脳移植を行った青年が、少しずつドナーの性格に支配されていく物語です。
ドナーの思いが強すぎたのか、移植した部分が問題なのか。
穏やかな青年の目つきがだんだん変化していく様が、とても怖かったです。
玉木宏が、こんなに演技が上手いとは知りませんでした。この映画を通しての、一番の印象は、そこですね。顔はタイプじゃないんだけど~(笑)。でも、彼は俳優としてすごいですね。

ドナーが誰なのか。
それは、結構初めの頃に「うわ~~そういうことか~~」と、何となく気づいてしまいます。あいつら、何て罪なことを・・・!

愛していたはずの女性のことを、愛せなくなる。
突然の変化に戸惑いながらも健気に愛する女の子に、蒼井優。
またちょっと、この子の気持ちの変化も唐突ではあったんですが・・・いつから分かっていたのか、結構あっさりと受け入れてましたし。うーん、説明不足な感じが否めません。
主役二人の演技がすごく光る作品でした。

原作を読んでみたいなぁ。
もっと、細かい設定を読んでみたい。特に、ドナーのほうの。双子の妹の語る兄と、玉木宏の中にいる彼には、どうも一致させる説明に不足するというか。気になります。
「虹の女神」
虹の女神 Rainbow Song [DVD]

2006/日本/監督:熊澤尚人/原案・脚本:桜井亜美/出演:市原隼人、上野樹里、蒼井優、酒井若菜、鈴木亜美、相田翔子、小日向文世、佐々木蔵之介

公式HP:ttp://rainbowsong.jp/start.html

「終わったのは、私だけだった。」

冒頭でヒロインが亡くなってしまうという、前知識なしで観たら、ちょっと驚いてしまう映画。私は、前知識は全然ありませんでしたよ。
主人公の市原隼人が、どちらかというと不器用で流されやすくて、ダメタイプの男の子なのですが、この子のボソボソ喋る感じが、すごく自然で良かったです。聞き取りにくいけど。本当、なんていうか・・大学時代に出会う男の子、という感じ?
冒頭で亡くなるヒロインに、上野樹里。この子も、普通にそこら辺にいそうな感じで、良かったですね。私とは、ちょっとタイプが違いますけど。
あおい(上野樹里)が飛行機事故で亡くなったという知らせを受けても、智也(市原隼人)の感情ははっきりしません。
それほど悲しんでいるようにも見えず。
あおいの気持ちにも自分の気持ちにも鈍感な智也という像が、あおいとのエピソードが少しずつ語られていくことによって、見えてきます。
あおいの妹、かな役に、蒼井優。盲目という設定が手伝ってか、彼女から見える二人こそが、本当の二人の想いのように思えます。
あおいの遺体を引き取りにいくとき、かなが智也に縋って、「一緒に来て欲しい」と泣いて頼むシーン。
ただただ、どうすればいいのか分からず立ち尽くす智也。
このシーンを、冒頭に近い部分で見せられたことで、私はかなの視点で二人を見守っていたような気がします。
ラスト近く、かなが言った一言が、効きますね。
バカだなぁ、お姉ちゃんも、岸田さんも。

映画研究会であおいが撮った映画、あの映画の中に、あおいの本音が詰まっているようで、胸が潰れる思いでした。

千鶴さんとのエピソードは、好きです(笑)。笑うシーンよね?いいな、あれちょっとやりたい(「私のハートにコール」・・だっけ?笑)
ああいうのに流されてしまう智也の性格がまた・・・。
智也らしい、と思っちゃったのが、製作側の思うツボなんでしょうね(笑)。


忍者ブログ [PR]
新潮文庫の100冊 2010
読書記録
プロフィール
HN:
水玉
性別:
女性
ブログ内検索
メールフォーム