忍者ブログ
映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ブタがいた教室」
ブタがいた教室 (通常版) [DVD]
2008/日本/監督:前田哲/原案:黒田恭史/出演:
妻夫木聡、大杉漣、田畑智子、池田成志、ピエール瀧、清水ゆみ、近藤良平、大沢逸美、戸田菜穂、原田美枝子、26人の子供たち

「ブタを飼って、大きくなったら皆で食べたいと思います。」

予告でこの台詞を聞いて、度肝を抜かれました。
小学校の壇上で、可愛い子ブタを抱えた若い教師(妻夫木くん)が、生徒達に向かって。
何て凄い試みなんだろう!食育をする上で、これ以上のものはない・・・でも正直、問題も山積みですよね。
現代の子供たちに、本当にここまですることが必要なのだろうか。また、中学生ではなく小学生じゃないですか。この子たちに経験させるには、とても酷なことなんじゃないだろうか・・・

飼い始めてすぐ、子供たちは子ブタに「Pちゃん」という名前をつける。
うわぁ・・・嫌な予感・・・(涙)

一年間、クラスの仲間として楽しくPちゃんと過ごす子供たち。
でも、卒業の日は日毎に近づいてくる。それまでに、Pちゃんをどうするのか、決めないといけない・・・厳しい現実が、子供たちにのしかかってきます。



この映画のすごいところは、これが実話を元にしているということ。
さらに、この映画の結末については、出演した子供たち自身が自分たちで出したものだということ。
つまり、ガチなんですね。演技じゃなくて。
子供たちには、結末の書かれていない、白い脚本が渡されたそうです。

Pちゃんをどうするか、毎日毎日子供たち話し合います。
それは、大人の想像以上に・・・子供たちの口から出る言葉は、真剣に悩みぬいた上の、心に迫る意見のやり取り。本気でつかみ合いのケンカになったこともあったそうです。あれも演技じゃなくてガチだったのか・・・

何が大切なのか。
何を教えるべきなのか。
子供に観せたい映画であると同時に、大人にとっても、子供たちの言葉の重さを考える良い機会だったと思います。

子供たちが出した結末は、是非皆様ご自身の目で確かめて、受け止めてあげてください。

本当に凄い映画でした。半分ドキュメンタリーですね。
もうほんと・・・子供たち、お疲れ様!!
PR
「西の魔女が死んだ」
西の魔女が死んだ [DVD]

2008/日本/監督:長崎俊一/原作:梨木果歩/出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、木村祐一、高橋克実

公式ページ:ttp://nishimajo.com/i_index.html

学校に行けなくなったまいは、おばあちゃんの家でしばらく暮らすこととなる。お母さんがハーフで、おばあちゃんはイギリス人。代々「魔女」の家系なのよ、と教えられたまいは、魔女になるために精神修行をすることを決める。

原作が大好きなので、どうなるか心配だったのだけれど、予告を見て、これは絶対原作の雰囲気を壊してない、と思ったので観に行きました。

好きすぎて泣いたのは、ケストナー以来だ・・・!
原作を読んでしまっているので、おばあちゃんの言葉のひとつひとつがさ、もうラストのあれに繋がるんだと思うと、愛しくて胸が締め付けられました。
最初の、「アイ、ノウ」で既にボロッボロ泣いてましたからね。おばあちゃんの家に着いたところ(笑)。早すぎだ(笑)!

おばあちゃん大好き、というまいに、
「アイ、ノウ」と。

知っていますよ。あなたが私を大好きなこと。

なんてステキな返事なんだろう!
その言葉の纏う優しい空気に、包み込むような愛情に、・・・泣かずにいらいでか!

あまりに愛おしい物語。なんてなんて、世界を優しい視点でみつめているんだろう。

おばあちゃん役のサチ・パーカーさんがそれはそれはステキな雰囲気のおばあちゃんなんですよ。何て綺麗なおばあちゃんなんだろう。
おばあちゃんの家での暮らしがまた、どツボで震えました。庭のハーブたち。山の野イチゴ。
時間によって、違うハーブティが出てくるんですよ!しかも必ず葉っぱや花が浮いてる。
あの家、理想だわ~vvvあれは相当贅沢な暮らしですよ。やりたくてできるものでもない。
私の老後の夢です。ああいう暮らしができるものなら。
どうやら、魔女の家のロケセットが公開されているようですね!2009年1月までのようです。
ぬおおお・・・行きたい、行きたいよーー!
↓ ↓ ↓
ttp://www.keep.or.jp/nishimajo/index.html

凄まじいとこにありますけど。そうそう行けぬよ。
てか、やまねミュージアムあるところじゃん!あそこもすんごい行きたかったの!大好きなんです、ヤマネー!

これ以上ないくらい泣いた・・・
最後のあのシーンは、分かってたけど、顔を歪めて泣いてしまいました。
そんな最高潮に締め付けられたところで、あの手蔦さんの主題歌!!絶妙~~!!
人間の弱いところも理解した上で、まいの苦しみも理解してくれて、深い愛情で包み込んでくれた上で、まいが強くなれるように導いてくれる。
終わったあとに、深い感謝を感じる映画です。この物語に出会えたことに、凄く凄く感謝します。
機会があれば、是非とも是非とも観てほしい作品ですね。
「ファンシイダンス」
ファンシイダンス [DVD]

1989/日本/監督:周防正行/原作:岡野玲子/出演:本木雅弘、 鈴木保奈美、 大沢健、 田口浩正、竹中直人、大槻ケンヂ、村上冬樹

「これから俺たち、どんどん取り残されていくんだぜ。」
「何言ってんの、僕たち、最先端にいるんだよ!だって、お坊さんってカッコイイもん☆」


シティボーイ?(笑。死語)の陽平は、お寺を継ぐために一年間の修行に出る。
修行僧としてお寺に入った一年間(・・・最初の予定はね。笑)を描いた、コメディ。
これって周防監督だったのかー。原作が少女漫画で、あの岡野玲子さんだったので、前々から観てみたかったのです。ちなみに、原作は未読。
修行寺って、一休さんの地味な世界を思い描いていたのですが、あれは子供ばかりだったせいでしょうか、(まぁ時代もありますしね)、お寺の種類もあるのでしょう。

確かに、すんごい、カッコイイ!!美しい!!

勿論、日々の修行は地味ですよ。色んな行事がさぁ。すんごい迫力なの!美しいの。イメージと違う!派手!荘厳!所作の美しさったら!
ナルシストの陽平が「悔しいが仏陀は正しい!」と言ってしまうのにも、頷きます。。
仏教は一般人が入れないことが多いから、お寺の奥で何してるのか、見えない部分が多いんですよねー。
経典を運ぶ役目のお坊さんが筋トレしてましたが、そりゃもう、その成果はバッチリでしたよ。

お寺が舞台なのに、この映画はコメディ。コメディとしてもとても面白かったです。かなり何度も声出して笑いました。本木さんはこういう役が上手いですね(笑)。
周防監督はこのあとお相撲さんの映画を撮っていらっしゃいますが、展開が被る感じで、そっちの作品の方が全てにおいて上・・だそうです。ネットでの感想を見ると。
私はそっちの作品はまだ観てないので、順番としては良かったのかもしれません(笑)。
修行のイメージが崩れるかもしれませんが、それでもやっぱり、あの修行は厳しいと思うわ~。寧ろ、あれだけの修行をしてるって知らなかったので、私の中ではイメージアップですけどね(笑)。

今後、仏教に対して気持ちが変わるかもしれないなぁ、と思った作品です。
あの美しさを以って、信仰する気持ちが起こるのは、分かる気がする。
「アフタースクール」
アフタースクール [DVD]

2008/監督:内田けんじ/出演:大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子、田畑智子、北見敏之、山本圭、伊武雅刀
公式サイト:ttp://www.after-school.jp/index.html

面白かったです!!!
まずキャストがクセのある俳優さん三人が主役ってことで、すんごい楽しみにしていたんですが、脚本もすごい!
エンターテイメントとして、極上です。映画館内で、何度か笑いが起こりましたし。
“だまされるな”っていうのがコンセプト?だったので、ウラを読みながら観ていたのですが・・・全て、そのさらに上をいかれちゃいました。
あれはもう、何も考えずに観た方がいいかも?いや、やっぱりあれこれ考えつつ、「ああーそうだったのか!!」というのも快感かも。
こういう作品なので、本当、うっかりネタバレしちゃいそうなので、何も言えません(笑)。
とりあえず、個人的には堺さんが可愛くて可愛くて可愛くて仕方ありませんでした。ラブ!
映画のラストがー!ラストのやりとりが大好きです。ナイス脚本!「うん」って。かーわーいーいーvv

映画館内の笑いの反応を見てて思いましたが。
どうやら、思っていた以上に大泉ファン多いようですねー!
友人Dは、目ざとく「あの人の携帯の待ちうけ、オフィシャルサイトの写真!」って言ってましたが(笑)。
や、でも確かに大泉ファンには大満足の作品だと思いますよ。彼の魅力満載です。

イヤーな思いが後に残らない、さて、頑張ろうって思わせてくれる映画でした。
「相棒~劇場版~」
相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン〈通常版〉 [DVD]

2008/日本/監督:和泉聖治/出演:水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、高樹沙耶、岸部一徳、川原和久、大谷亮介、山中崇史、六角精児、山西惇、神保悟志、小野了、片桐竜次、木村佳乃、西村雅彦、原田龍二、松下由樹、津川雅彦、本仮屋ユイカ、柏原崇、平幹二朗、西田敏行

公式ページ:ttp://www.aibou-movie.jp/

映画館にて鑑賞(この感想は2008年公開当時のものです)。
総評としては、面白かったです。ちょっと、事件自体の動機が・・・受け入れられる人とそうでない人と、賛否両論のようですが、それはそれとして置いといて、映画としては面白かったのではないでしょうか?
ただまぁ、相棒ならではの“お約束”を盛り込むことに重点を置きすぎたかな。いや、それはファンとして嬉しいことなのですが(例の官房長官との回転寿司シーンありましたしね。映画館を、やる、絶対アレをやる、みたいな空気が。笑)、普段ドラマを観てない方にとっては、混乱の元かも。
凄いキャストゆえに、重きをおいて観てしまう・・けど別に意味はない、みたいな(笑)。
正直、この人何のために出たの・・・?と言う人も出てました。

それにしても、特命係大活躍でしたよ。普段、捜査から追い出されてる身なのに、あんなに中心で動けるんですねぇ(笑)。ま、その辺はいっか。
右京さんも薫ちゃんもカッコ良かったですから*
頭脳が右京さん、走るのが薫ちゃんという役回りですが、それにしても薫ちゃんの激しさに笑いましたよ。彼、すごすぎ!
ネタバレ反転↓

とりあえず。

普通はマラソン大会中止しませんか・・?
どうなんだろう。騒ぎの元になるから、中止はできないのかなぁ。聖火リレーも厳戒体制の中で行われたくらいだし・・・。

動機については、私は何とも言えません。彼を政府が見殺しにしたことに関して、どちらが正しいのかっていうのはすごく難しい問題です。彼を救って、そのお金で弾薬を買って大きなテロが起こったとしたら、それはどうなんだろう。
でも、目の前の人間を助けることができなくて、誰を救えると言うのだろう。
それにやっぱり私は、彼は“そこまで考えて”大変な国に行かなくてはいけなかったと思う。父親と妹がいて、友達がいて、自分に何かがあれば、大切な人たちが悲しむことも考えるべきです。
人は、誰もが一人で生きているわけではないのですから、彼の命は彼だけのものではないのです。
難しいものですよね。世界全体のことを愛して行動を起こすには、身近な愛する人を傷つけていかなくてはならないかもしれない。
彼が自業自得だとは言いませんが、難しいなって思います。
彼を見殺しにしたとき、あの元総理(髪型がK元総理っぽかったけど。苦笑)と外務大臣は、苦しまなかったのでしょうか。見殺しにするという判断を下すのは、非常に勇気のいることです。政治家って、尋常な精神力では務まらないですよね。

つか、過激なコメントをしたからって殺されたコメンテーターがいましたが、実際には、いくらなんでもあんなコメントはしないでしょう。ちょっと、誇張しすぎかな。

でも、私達に正確な情報が届いているか、世論捜査されているかどうか、っていうのは、確かに疑わしいものですよね。そういうことが行われていないという証拠はない。でも、行われているという証拠もない。
問題は、「そういうことをしててもおかしくないな・・」と思わせる政府にある。
情報というのは、確かに怖いです。世論は人を傷つけ、殺すこともある。
私達は、自分で“考えて”、ものごとを自分の目で見ていかなくてはならないのですよね。
世論の一人一人を担う私達全員に、警告を示す映画です。


***************
(5/7追記)

すみません、本当は消してしまいたいくらいなのですが、一日掲載されたこともあり、消さずに追記という形にします。

昨日の私の感想・コメントは、あまりに一面的で他人事だったと気がつきました。
今日、ミャンマーのサイクロンのニュースを見てて、危険を冒してもこの人たちを助けたいと思う人たちを、何故“そこまで考えてない”などと思ったのだろう、と感じました。軽い気持ちで行ってるわけがないじゃないですか。詳しい情勢を知りたくとも、旅が長ければ、知る方法がないのかもしれません。でも最低限、命の危険があるくらいは知っているはず。彼の行動が何故、軽率だと思うの?
そう思わせるような報道があったのか、どうかは思い出せませんけど。
私は、自分が感情移入できる人のことしか考えられていない。
私はどうしても、考えてしまう。例えば弟が、友だちが彼だったとしたら。
「行く」って言われたら、猛反対すると思います。
でもね、それでも行きたいと思う人の気持ちを、私は考えてなかった。残された人のことを考えると行けないだとか、人質になった場合のこととか、そんなことは言い訳であって、やっぱり自分の足で危険な地へ行くことを選ぶだけの強さがないというのが、1番だと思う・・・。
彼は、覚悟の上なのでしょう。
それでも、やっぱり助けたいと思うじゃないですか。

昨日の、“政治家は精神力が強くなければ・・・”というのは、失言です。
そのコメントこそ、私が他人事としか見てないことの証拠でしょう。
決断を下したのは、政府ではない。私達一人一人の世論の力なのだということ。大反対を押し切っての政府の決定だとしても、それを覆せなかった世論のせいなのだということ。
どちらを選んで、誰を殺したとしても、それは私達一人一人の決断なのです。
その覚悟と自覚を認識させることが、この映画のテーマだったのですよね。



忍者ブログ [PR]
新潮文庫の100冊 2010
読書記録
プロフィール
HN:
水玉
性別:
女性
ブログ内検索
メールフォーム