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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「相棒~劇場版~」
相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン〈通常版〉 [DVD]

2008/日本/監督:和泉聖治/出演:水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、高樹沙耶、岸部一徳、川原和久、大谷亮介、山中崇史、六角精児、山西惇、神保悟志、小野了、片桐竜次、木村佳乃、西村雅彦、原田龍二、松下由樹、津川雅彦、本仮屋ユイカ、柏原崇、平幹二朗、西田敏行

公式ページ:ttp://www.aibou-movie.jp/

映画館にて鑑賞(この感想は2008年公開当時のものです)。
総評としては、面白かったです。ちょっと、事件自体の動機が・・・受け入れられる人とそうでない人と、賛否両論のようですが、それはそれとして置いといて、映画としては面白かったのではないでしょうか?
ただまぁ、相棒ならではの“お約束”を盛り込むことに重点を置きすぎたかな。いや、それはファンとして嬉しいことなのですが(例の官房長官との回転寿司シーンありましたしね。映画館を、やる、絶対アレをやる、みたいな空気が。笑)、普段ドラマを観てない方にとっては、混乱の元かも。
凄いキャストゆえに、重きをおいて観てしまう・・けど別に意味はない、みたいな(笑)。
正直、この人何のために出たの・・・?と言う人も出てました。

それにしても、特命係大活躍でしたよ。普段、捜査から追い出されてる身なのに、あんなに中心で動けるんですねぇ(笑)。ま、その辺はいっか。
右京さんも薫ちゃんもカッコ良かったですから*
頭脳が右京さん、走るのが薫ちゃんという役回りですが、それにしても薫ちゃんの激しさに笑いましたよ。彼、すごすぎ!
ネタバレ反転↓

とりあえず。

普通はマラソン大会中止しませんか・・?
どうなんだろう。騒ぎの元になるから、中止はできないのかなぁ。聖火リレーも厳戒体制の中で行われたくらいだし・・・。

動機については、私は何とも言えません。彼を政府が見殺しにしたことに関して、どちらが正しいのかっていうのはすごく難しい問題です。彼を救って、そのお金で弾薬を買って大きなテロが起こったとしたら、それはどうなんだろう。
でも、目の前の人間を助けることができなくて、誰を救えると言うのだろう。
それにやっぱり私は、彼は“そこまで考えて”大変な国に行かなくてはいけなかったと思う。父親と妹がいて、友達がいて、自分に何かがあれば、大切な人たちが悲しむことも考えるべきです。
人は、誰もが一人で生きているわけではないのですから、彼の命は彼だけのものではないのです。
難しいものですよね。世界全体のことを愛して行動を起こすには、身近な愛する人を傷つけていかなくてはならないかもしれない。
彼が自業自得だとは言いませんが、難しいなって思います。
彼を見殺しにしたとき、あの元総理(髪型がK元総理っぽかったけど。苦笑)と外務大臣は、苦しまなかったのでしょうか。見殺しにするという判断を下すのは、非常に勇気のいることです。政治家って、尋常な精神力では務まらないですよね。

つか、過激なコメントをしたからって殺されたコメンテーターがいましたが、実際には、いくらなんでもあんなコメントはしないでしょう。ちょっと、誇張しすぎかな。

でも、私達に正確な情報が届いているか、世論捜査されているかどうか、っていうのは、確かに疑わしいものですよね。そういうことが行われていないという証拠はない。でも、行われているという証拠もない。
問題は、「そういうことをしててもおかしくないな・・」と思わせる政府にある。
情報というのは、確かに怖いです。世論は人を傷つけ、殺すこともある。
私達は、自分で“考えて”、ものごとを自分の目で見ていかなくてはならないのですよね。
世論の一人一人を担う私達全員に、警告を示す映画です。


***************
(5/7追記)

すみません、本当は消してしまいたいくらいなのですが、一日掲載されたこともあり、消さずに追記という形にします。

昨日の私の感想・コメントは、あまりに一面的で他人事だったと気がつきました。
今日、ミャンマーのサイクロンのニュースを見てて、危険を冒してもこの人たちを助けたいと思う人たちを、何故“そこまで考えてない”などと思ったのだろう、と感じました。軽い気持ちで行ってるわけがないじゃないですか。詳しい情勢を知りたくとも、旅が長ければ、知る方法がないのかもしれません。でも最低限、命の危険があるくらいは知っているはず。彼の行動が何故、軽率だと思うの?
そう思わせるような報道があったのか、どうかは思い出せませんけど。
私は、自分が感情移入できる人のことしか考えられていない。
私はどうしても、考えてしまう。例えば弟が、友だちが彼だったとしたら。
「行く」って言われたら、猛反対すると思います。
でもね、それでも行きたいと思う人の気持ちを、私は考えてなかった。残された人のことを考えると行けないだとか、人質になった場合のこととか、そんなことは言い訳であって、やっぱり自分の足で危険な地へ行くことを選ぶだけの強さがないというのが、1番だと思う・・・。
彼は、覚悟の上なのでしょう。
それでも、やっぱり助けたいと思うじゃないですか。

昨日の、“政治家は精神力が強くなければ・・・”というのは、失言です。
そのコメントこそ、私が他人事としか見てないことの証拠でしょう。
決断を下したのは、政府ではない。私達一人一人の世論の力なのだということ。大反対を押し切っての政府の決定だとしても、それを覆せなかった世論のせいなのだということ。
どちらを選んで、誰を殺したとしても、それは私達一人一人の決断なのです。
その覚悟と自覚を認識させることが、この映画のテーマだったのですよね。

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