忍者ブログ
映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「トリック」
2007/ポーランド/監督:アンジェイ・ヤキモフスキ/出演:ダミアン・ウル、エヴァリナ・ヴァレンジャク、トマシュ・サプリック、イヴァナ・フォルナルチック

日本では公開されてない映画です。第20回東京国際映画祭のみかな。
イマジカはこういう入手しにくいものも放送してくれるから、好きです。

母親と、歳の離れた姉と3人で暮らすステフェク。駅で出会った男性を、自分達を捨てた父親に違いない!と直感で思ったステフェクは、彼と母親を出会わせるよう、魔法をしかけます。

公開しないなんて、何て勿体無い!!!
と思わず画面に叫びそうになるくらい、ステキな映画でした。可愛い!暖かい!
ステフェクは、現実的な姉エルカが見せる、“機知によって起こる奇跡”を見て、それを魔法と信じる。
スーパーの駐車場でリンゴを売る二組。売れてない方のおじさんの前に、そっとカートを置いた頭の良さにはびっくりしました。
カートっていうのは、一つあると、そこに皆置いていくものなのですよ。スーパーでバイトしてたことあるから、分かります。
すると、ついでにおじさんのリンゴも見ていくっていう算段です。

家族思いのエルカ。
でも、現実的なエルカは、傷つくことにも臆病。ステフェクの直感に、過敏な拒否反応を示すのです。

傷ついた家族と、純真な少年の心が織り成す奇跡の魔法の物語。
すごくステキな物語でした。

しっかし、エルカのスカート丈は短すぎだろう!
シャツワンピースのときの一番下のボタンの位置にもう、ドキドキしましたよ。そりゃ口笛吹かれますって。
PR
「バッド・エデュケーション」
バッド・エデュケーション [DVD]

2005/スペイン/監督・製作・脚本:ペドロ・アルモドバル/出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルティネス、ハビエル・カマラ、ルイス・オマール、ダニエル・ヒメネス・カチョ、ナチョ・ペレス、ラウル・ガルシア・フォルネイロ

公式サイト:ttp://www.gaga.ne.jp/badeducation/

ペドロ・アルモドバル監督作品を見るのは、2作目。「トーク・トゥ・ハー」のときも、変わった映画を撮る人だと思ってましたが、これは本当にすごい!!!この人すごい!!!
同性愛の話ですが、全く嫌悪感はないです。萌えという感じもない。いや、私はあった、けど(笑)。妄想ではない同性愛で、こんなにスルリと受け入れられるものなんだなー、と思いましたよ。や、人に、よる、かもしれませんけど(笑)?

映画監督として既に名が売れているエンリケのもとに、元同級生のイグナシオが訪ねてくる。俳優志望の彼は、自分達の少年時代を書いたという脚本を手に、映画を作るときには役をくれとエンリケに頼み込む。
その脚本は、エンリケとイグナシオが深く結びついていた少年時代の愛が描かれており、エンリケは脚本に惹かれて映画化を決心する。だが、一方でエンリケは、自分の知る少年時代のイグナシオと現在の彼との違和感を感じる。
脚本、というか映画の進め方がすごい上手いですね。すごく興味を惹きつけられるよう、できてる。
見始めると、先が気になって気になって仕方ありませんでした。
うっかり、夜中に見始めてしまったせいで、途中で止めることになってしまい、その日の夜から次の日の日中から、続きのことばっかり考えてましたもの。
エンリケの「そろそろ、お互い本音を語ろうじゃないか」という台詞のところで止めたからさー、一体本音がどうだったのか、気になって気になって。しかも、イグナシオの身体をじっくり眺めた後ですよ(笑)!何が起こるの、それから!
つうか、そんなことを仕事中に妄想してたのか・・・
妄想=勝手に頭に浮かぶもの
しょうがない、うん(笑)。

少年時代のイグナシオが可愛かったですvつか、声が。聖歌隊だったのですが、彼の声はマノロ神父でなくても興奮しますよ。
マノロ神父の表情が本当に犯罪的で、怖かった(笑)。あんな顔で街歩いてたら、タイホされるよ!
「カフカの「城」」
カフカの「城」 [DVD]

1997/オーストリア/監督:ミヒャエル・ハネケ/原作:フランツ・カフカ/出演:ウルリッヒ・ミューエ、スザンヌ・ロタール、フランク・ギーリング、フェリックス・アイトナー、ニコラウス・パリラ

何と評価の難しい映画でしょうか!
フランツ・カフカの原作を読んでいる方には、その忠実ゆえにすごく好評らしいです。
でも、私は読んでいないので、純粋に映画作品として見ました。とにかく、変な作品!

城に招かれて測量技師としてやってきた「K」。でも、城から正式な命令がないまま、“測量技師を呼んだのは手違い”だったと村長から言われる。城に足を運ぼうとしても、霧が濃くて城に辿り着く道がみつからない、連絡方法は伝達係の青年のみ。それなのに彼が持ってくる伝達はいつも決定的ではなく、Kが伝達係に頼んだ言伝は、「伝えることが出来なかった」というもの。
酒場によく来るという城の当主と直接会おうとしても、何らかの邪魔が入っていつも実現しない。
また、Kの助手の二人が不思議。
古くからのKの助手だったと言っているけど、名前も知らなかったし、最後の方で、Kがこの村で出会った恋人フリーダの幼馴染だということが判明する。や、Kは遠くから初めてこの村に来たはずですけど・・・そんな偶然があるでしょうか。
村の人に城について聞いても、とにかく曖昧な答えしか返ってこない。
主人公といっしょにイライラする物語です(笑)。
とにかく、助手二人がウザい!どう見ても大人なのに、5歳の子供みたいな言動。あの二人が、主人公と私のイライラをどれだけ逆撫でしたことか(笑)。
こういう物語を映画として表現できるハネケ監督はすごいなー、と思いました。やっぱりこの方の鬼才ぶりはただごとではないようです。

追い込まれ、追い込まれ、どんどんイライラが募る主人公。
こんな物語で、最後はどうなるかと思うでしょう?
(ネタバレ反転↓)
カフカの「城」という作品は、未完であるとは知っていました。



本当に何の解決もなくプッツリ切れるとは思わなかった!!忠実すぎ!!
ふっつーに物語の途中で、突然暗転して、「カフカの草稿はここで終わっている。」ですよ。
ちょっとー!このモヤモヤはどうしてくれんのよ!
結局、「城」って何だったの、測量技師はどうなったの?!
オリジナルストーリーでいいから終わらせてくれるものだと信じていたのに!
(原作読んでないから納得したのに~!)
あの潔さに本当、驚きました。こんな前代未聞の作品、難しくて評価できないよ(笑)!
「ちょっと!」と思いましたが、かなり新鮮でした。私は、この潔さ、好きですね。

原作を愛していらっしゃるのでしょう。
この映画は、あくまでもカフカの「城」であって、ハネケの「城」ではないわけです。
「歓びを歌にのせて」
歓びを歌にのせて [DVD]

2004年/スウェーデン/監督:ケイ・ポラック/出演:ミカエル・ニュクビスト、フリーダ・ハルグレン、ヘレン・ヒョホルム、レナート・ヤーケル、ニコラス・ファルク

公式ページ:ttp://www.elephant-picture.jp/yorokobi/


『私はこう感じたい 「私は自分の人生を生きた」と』

2007年最後に観た映画として、最高でしたね。大きく動揺するような、ドラマチックなストーリーではないんですが、静かな感動がゆっくりと胸を占める作品です。
大きな名声を手にした巨匠の音楽家である主人公。身体の不調を理由に引退、そして辛い思い出の残る少年時代に過ごした村に、戻ってくる。(デビューのときに名前を変えているので、村の人には少年の頃の彼と同一人物とはバレない)
そこで聖歌隊の指揮を頼まれるのですが、小さな村では、人との関わりがすごく濃密で、たくさんの問題と向き合うことになる。
人付き合いをしてこなかった彼は、初めて人と深くかかわりあうことによって、自分の音楽へと再度向き合っていく、というお話。

彼の少年時代からの夢は、“人の心を開く音楽を作ること”。

主人公と村の人の苦しさと一生懸命さとを、音楽が包み込んでいきます。
またこれが、人の声である“合唱”だからこそ、よりはっきりとした形で魂の繋がりが見えたのかもしれません。
ラストシーンは、本当に凄かった。
あれを体験できるのって、奇跡ですよ。背筋がゾクゾクして、涙が滲みました。

やー、とりあえず、村に帰ってきたダニエルが、うさぎの後姿に、ものすごい笑顔で必死にわーっと手を振ってる姿が可愛すぎて(吹き出しましたよ。笑)、そのときから、ダニエルの虜でした(笑)。変わった人!でもすごく一生懸命でひたむきで、魅力的。
腹がたるんでようが、50代くらいのオッサンだろうが、構いませんて。
村人がダニエルに惹かれていったように、私もダニエルを大好きになりました。
ダニエルが成そうとしたことはすごくシンプル。
頑張っても中々シンプルにはいかないものですが、音楽ってそれを成し遂げる力があるんですねぇ。私も一緒に、浄化された気分になりました。
「ポビーとディンガン」
ポビーとディンガン [DVD]

2005/オーストラリア・イギリス/監督:ピーター・カッタネオ/原作・脚本:ベン・ライス/出演:クリスチャン・ベイヤース 、 サファイア・ボイス 、 ヴィンス・コロシモ 、 ジャクリーン・マッケンジー

公式ページ:ttp://c.gyao.jp/pobbydingan/

「何かを信じたら、それは本当になる。」

なんて、愛おしい作品!!
原作は未読なのですが、かなり興味がある本でした(表紙が酒井駒子さんですしね)。
この作品を、「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ監督がやるっていうので、映画の方もすっごく楽しみにしてました。ま、映画館には観に行けなかったんですがね・・・

暖かくて、じんわりと胸に迫る作品です。私、こういうのが一番好きですね。こういう作品に出会えたとき、心から映画大好き!って思います。身近で起こるファンタジー。人間との繋がりが起こす、小さな奇跡の物語。人間の心の持つ力を信じてる、そんな作品。
主人公は、アシュモル少年。彼の最大の悩みは、妹のケリーアンの空想の友達、ポビーとディンガン。
ケリーアンを、空想の友達から卒業させようと、父親はポビーとディンガンを連れて炭坑へ行き、母親はケリーアンを連れて近所のパーティへ出かけます。
ですが、父親とアシュモルがポビー達を連れて帰ってきたとき、ケリーアンは車の後部座席に、ポビーとディンガンを見つけることはできませんでした。
その日から、みるみる身体が弱っていくケリーアン。
アシュモルは、妹のために、ある行動を起こします。

空想の友達かぁ。
妄想族の私にも、いましたよ。憶えているのは、多分記憶がはっきりしてる年齢くらいまで、彼らの姿が見えたからでしょう(笑)。
私の場合は、人には話しませんでしたけどね。家族であろうと。

この物語には、厳しい背景もあります。労働者階級の、炭坑に賭ける夢。オパールという宝石を掘り当てるという夢を叶えようと集まった人たちの町なのです。いつでも周りを出し抜こうとする、ギラギラした人たちが集まった町。彼らの僅かな確率の夢想と、ケリーアンの空想と。
そういうのが、上手く対比されてたように思います。ケリーアンの空想を笑う大人たちだって、叶うかどうか分からない夢にすがり付いて生きてる。
空想の友達は、ケリーアンにとって、必要な存在でした。
正直、かなり変な子供です、ケリーアン。でも、欲望に溢れた町で、ケリーアンの純粋な夢は、壊れてはいけないものだったんだな、と思わせられました。

アシュモル少年がまた、可愛いのー!あの少し大人びたような笑顔がたまりません。
公式ページのTRAILER観てみて下さいな!予告編だけで既に泣けた・・(笑)。大好きだー!


忍者ブログ [PR]
新潮文庫の100冊 2010
読書記録
プロフィール
HN:
水玉
性別:
女性
ブログ内検索
メールフォーム