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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「静かの海」


2003/ベルギー・オランダ/監督:ステイン・コニンクス/出演:ヒューブ・スタペル、ヨハナ・テル・ステーゲ

月面着陸の頃が舞台で、月に降りるなんて神様に近づきすぎだと心配する少女のお話。
敬虔深い地域での、どんどん進化していく現実とのギャップ。
少女の純粋なたくさんの「なぜ?」が心に痛い。
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「ピアノレッスン」
ピアノ・レッスン [DVD]

1993/オーストラリア/監督:ジェーン・カンピオン/音楽:マイケル・ナイマン/出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン、ケリー・ウォーカー、ジュヌヴィエーヴ・レモン、タンジア・ベイカー、イアン・ミューン、ホリ・アヒペーン

言葉の代わりにピアノで感情を示す女性。感情の溢れる物語で、情熱的で情緒たっぷりの作品です。絵的にはすごく好き。
綺麗な映像と美しい音楽の組み合わせってだけで、この映画の価値はとても高い。
「薔薇の名前」
薔薇の名前 特別版 [DVD]

1986年/フランス・イタリア・西ドイツ/原作:ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」/監督:ジャン=ジャック・アノー /出演:ショーン・コネリー 、F・マーレイ・エイブラハム 、クリスチャン・スレイター 、エリヤ・バスキン 、フェオドール・シャリアピン・Jr 、ウィリアム・ヒッキー

大学時代に観て、挫折した作品。
やっぱり当時は非常に未熟だったのだと実感しました。
多分、分からなかったのは事件の核心の部分。それを禁書とする意味が分からなかったので、事件全体が理解できない、と思っていたのでしょう。
では現在、それが分かるかといえば、とりあえずアリストテレスを読んでいないので、きちんとは理解できないけど、それを恐れる理由は分かったと思います。それは、この映画全体を見ていれば、理解できることでした。水玉の頭が固かったのか、何故当時は頑なに分からないって思ってたんでしょう・・・

中世の教会での、禁書を巡る残忍な事件。
ここまで描写がグロテスクだったのは、記憶になかったのでちょっとびっくり。「セブン」並ですねぇ。食事前に観てはいけない作品です。

面白い映画でした。次々と起こる事件への引き込み方が上手い。スピード感のある展開で、目が離せない感じでした。
各人物の描写もすごく良かったです。僧侶たちが本当に怖かった・・!
主人公の弟子の少年僧アドソ(クリスチャン・スレーター)の頭頂部のみ剃った髪にはちょっと笑いましたが、実際ああいう髪型だったんでしょうね。
語り手であるアドソが一番私たちの目線に近いので、最も好感が持てましたよ(笑)。アドソのみが人間らしい感情に振り回されてましたし。
それに何より、彼には妙な色気があるんですよ~v怯える様さえ、色っぽい・・vv←変態
衣装がフードコートというのもポインツです。(リベラの衣装は中世教会を意識してたんでしたっけ?)
真っ白じゃなくて、薄汚れた灰色で、厚手な感じでしたけど。


いやぁ、見直して良かった。何となく、ちゃんと観れた感じでスッキリです。
Amy
「Amy」
エイミー [DVD]

1999年/オーストラリア/監督:ナディア・タス/出演:アラーナ・ディ・ローマ、レイチェル・グリフィス、ベン・メンデルソン、ニック・パーカー

心因的問題で耳と口が不自由な少女をとりまく物語。言葉で話しても聞こえないけど歌でならコミュニケーションとれるんです。
パパの死が原因なのだろうというのは冒頭から感じられるようになってるのですが、まさか(ネタバレ→)自分のせいで死んだ、自分が殺したと思っていたとは・・・。ラストでそう叫んだエイミー役の子の演技は、周りのスタッフが泣いてしまって仕事にならなかったと言うのが身に沁みて感じられましたよ~。
それにしても、歌がすごくいい!主題歌、公文式CMで流れてた歌のようです。この子が9歳とは思えない歌唱力で!!
歌をとおして、すごく映画自体にユーモア要素を持たせてるんです。エピソード的には不幸なのに、この暖かさ。すごく好き!
(ネタバレ→)行方不明になったエイミーを探して、たくさんの警官たちが「僕らは捜索隊~ 怖くないよ~ 出ておいで~♪」
と歌いながら捜索して
たのに思わず笑ってしまったり。
舞台のオーストラリアの街の景色にも惚れ。ああいう街風景大好きですー!
「戦場のピアニスト」
戦場のピアニスト [DVD]

2002年/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス/監督:ロマン・ポランスキー/原作:ウワディスワフ・シュピルマン/出演:エイドリアン・ブロディ 、トーマス・クレッチマン 、エミリア・フォックス 、ミハウ・ジェブロフスキー 、エド・ストッパード

地獄のような戦場の中、ただ一人生き延びたピアニスト。
私は、彼が健気にピアノへの想いを馳せながら生き延びていく話だと思ってたんです。
でも、この手記は、そんなものではなかった。
もっと、リアルで、もっと、もっと・・・(言葉がみつからない)。
ドイツ兵の冷情さ、一体どう生きたらこんなにも人を殺すのに無感情になれるのかというほどに。
私も、あの中で生きたら、あのようになるのだろうか?人間の心とは、何と脆く恐ろしいものなのだろう。
でも、これが“リアル”なのだと感じられるのは、シュピルマンが、ヒーローではないという点でしょう。
(ネタバレなので以下反転します)↓
彼は、天才ピアニストであるゆえに、その才能を惜しまれてたくさんの人に助けてもらいます。
逃げて、逃げて、やがて食べ物のことしか考えられなくなり、見るに耐えられないほどに醜くなっていく。
一緒に観てた会社の先輩は、「自分だけが助かればいいの?って感じだったよね。何か途中から腹たってきたもん。」って言ってました。
でも・・・
シュピルマンが逃げたいのだと友人に相談したとき、友人が言った言葉、「生き延びていく方が、死ぬより苦しいぞ。」。
そのとおりだと思います。私だったら、正直早く殺して欲しいと思います。
あんなものを見るくらいなら。あんな思いをするくらいなら。
早く死んで、楽になりたいと願うことでしょう。
彼は、生き延びる道を選んだために、地獄を見るのです。誰もいない廃墟が続く町、たった一人で、取り残されて。
彼が、たった一人で生き延びたことを、どうして責められるでしょう。自分だけが助かったことを、どうして責められるでしょう。
あの状態に置かれて、どうして目の前で殺されていく人に無頓着になることが、自分勝手なことだと言えましょうか。
命乞いをするシュピルマンの姿は、本当に醜い。
哀れで、みっともない。
戦争の中、生き延びるということが、どういうことなのか思い知らされました。
ラストで、自分を助けてくれたあの人を、シュピルマンは助けられなかったのか、それとも助けなかったのか・・・
シュピルマンの表情からはうかがい知れませんでしたが、例え後者だったとしても・・・私は彼を責めることができません。

これは、フィクションではありません。
本当にあったことで、人間は、実際に“ああなる”んです。そのことに、深い絶望を抱くとともに、願ってやみません。
人間をあそこまで追い詰める戦争というものが、地球上から、なくなることを。
痛みを感じすぎて、何も感じなくなってしまわないように。


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