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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「ベリッシマ」
ベリッシマ [DVD]

1951年/イタリア/監督:ルキノ・ビスコンティ/出演:アンナ・マニャーニ、ワルテル・キアーリ、ティーナ・アピチェラ、アレッサンドロ・ブラゼッティ

子供をオーディションに合格させようと必死になる母親の姿を描いたコメディ。
口を挟む隙を与えないほどまくしたてる、イタリア女性のパワーに圧倒されます。怖い、怖すぎる・・・でも、母親は強い!
これくらいの強さを以ってして、イタリア人男性と渡り合えるのかもしれませんね(笑)。
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「木靴の樹」
木靴の樹 [DVD]

1978年/イタリア/監督・脚本:エルマンノ・オルミ/出演:ルイジ・オルナーギ 、オマール・ブリニョッリ 、ルチア・ペツォーリ 、フランコ・ピレンガ 、ロレンツォ・ペドローニ

ジョバンニ」のオルミ監督の一番有名な作品ですね。イタリアの小作民の生活が丁寧に描かれた作品です。収穫の2/3を地主に取られる極貧の生活の中で、彼らは明るく敬虔に生きていきます。
小作民の家族4世帯が主人公で、登場人数の多さと画像の粗さとイタリア人の顔の区別がつかない(皆、濃い・・。汗)のとで、どれが誰だか、把握するまでに時間がかかりました。淡々と進む話の上、3時間という長さ。でも、全然長さを感じませんでした。すごく好きです、この映画!!
何がいいって、貧しくって大変なのに、正義感が強く、家族を愛し、神を信じ、善良に生きる彼らの姿です。「ロミオの青い空」のロミオの家族を思い出します・・!
でもね、それがこの家族だけじゃないんです。当たり前のように、この時代の貧しい方たちにはその生き方が浸透してる。疑ったりしないし、見捨てたりしない。
まぁ、ちょっとばかり他の家を出し抜いてトマトを早く出荷するおじいさんの企みがあったくらい?夜中に秘密の作業してたりして、可笑しかったです、が、実際、生活のための死活問題なんですよね・・。
可笑しいエピソードがたくさん詰まってて、すごく楽しい映画でした。

そうそう!あれね、本当にそういうのやってたんですね。
勇者の木登り”!!(@ロミオの青い空)

聖母祭のシーンがあったのですが、そのなかでやってました。まさにあんな感じ。ただ、粉を棒に振りかけていたので、より危険だと思われます(汗)。登れる子、いるのか??

コインの話は爆笑しました。案の定だよ!おバカな子(笑)!※おじさんですよ。

夜、皆で集まって作業するんですが、そのときにしてた怖い話、何だか聞き覚えがあったんですが・・・。「おまえだー!」シリーズのやつ(笑)。途中で、「ん?この展開は?」って思いましたもの。あれって、イタリアが源流だったんですね~。エピソードの違う、色んな話が飛び交ってますけど。

あと、ものすごく意外だったのが、ストーカーちっくの男。
(ネタバレ反転↓)
まさか、結婚するとは思いませんでした(笑)。
彼女が帰るところを数メートル後ろからずぅっとついて来たり、待ち伏せしてたり、本当に気味が悪かったのに。
ニヤニヤしてる感じがまた、イヤ~な感じでした。
普通に待ち伏せしてるならともかく、隠れるように待ち伏せしてたりして、彼女が「驚くじゃないの!」と気味悪そうに見てたというに・・・
一体どこで何がどうして・・・
男女の仲はよく分からないです。
彼女たちが結婚して、養子をもらいに行くシーンも印象的でした。養子を迎えることで、国から養育費が出る。彼女たちの生活も助かるし、子供は親を持つことが出来る。なんてすごい制度なんだろう!助け合いの制度ですって。

「大切に育てなさい。幸せになれる。」

表題の、木靴のエピソードについては、物語の一部でしかありません。が、これを表題に持ってきた意味が、ラストまで見るとすごく実感できます。彼らの生活の現実なんです。

すごくいい映画でした。今まで見た中で、かなり上位です。
「ニューシネマパラダイス」
ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション [DVD]

1989年/イタリア/監督:ジュゼッペ・トルナトーレ/出演:フィリップ・ノワレ 、ジャック・ペラン 、サルヴァトーレ・カシオ 、マルコ・レオナルディ 、アニェーゼ・ナーノ 、プペラ・マッジオ

村にたった一つの映画館。この映画館で働く映写技師アルフレードと、映画が大好きな少年トトとの友情物語。
サルヴァトーレでトトって呼ばれるんですね~。
村で唯一の娯楽である映画館は、村人たちが集まって笑って泣いて、皆の心が一体になる場所なんですね。映画館を愛する人たちの想いが、愛おしくなりません。
アルフレードの死の知らせから始まるこの映画、そこからトトの回想で物語が始まります。
ラストで、アルフレードがトトに遺した形見の品がまた、ステキです。あれをずっと捨てずに持っていたアルフレードの想い。それを見るトトと私たちは、苦笑と共に、その溢れるような想いで、胸が詰まる。

気になるといえば、トトの初恋のときの、アルフレードが語った物語。
反転・・しなくていいかな?と思うんですが。大丈夫よね?
身分違いの恋をした兵士に、お姫様は「100日窓の下に立っていたら、あなたの愛を受け入れる」と約束する。兵士は幾日も幾日も雨の日も嵐の日も窓の下に立って、やがて干からびたようになっても、立っている。
そして99日目の夜。最後の夜に、兵士は何故か、その場を立ち去るんです。
なんて、印象的な物語。
でも、立ち去った兵士の心の中が分からない。
99日の間に、彼は何を考えていたのでしょう。最後の日に立ち去った理由は?
お姫様への愛は示したいけど、彼女を不幸にはしたくなかったとか、かなぁ。

アルフレードがなぜ、あのときトトにこの話をしたのか。
傷つく恋だと言いたかったのか。明確な答えば、映画の中では出ません。
こういうのって、上手いですね。バシッと言われたら反発しますけど、トトは考えるでしょう、兵士の心を。何を考えていたのかを。
こういう人生の師が身近にいたら、ステキ。
「無防備都市」
無防備都市 [DVD]

1945年/イタリア/監督:ロベルト・ロッセリーニ/脚本:フェデリコ・フェリーニ/出演:マルセル・パリエロ、アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ、マリア・ミキ

反ナチス派のレジスタンス作品。戦争に対する宗教の無力さ。そして、それを見つめる少年達の目。
感情が激しく渦巻く物語で、すごく惹き込まれました。この映画、どうやら第二次世界大戦の直後に発表されたもののようです。そりゃあセンセーショナルでしょうよ!誰もが発せなかった言葉を、よくもこんなタイミングで発表できたものです。ペンとフィルムの力はすごい。文化とはこうあるべきです。

いやー、しかし古い映画ゆえに最初の数分は白黒の黒部分が多すぎて目が悪くなるかと思いましたが、すぐ慣れましたよ。今でも十分皆に衝撃を与えるに値するので、いつまでも残って欲しい映画ですね。
「ジョバンニ」

2001/イタリア、フランス、ドイツ、ブルガリア/監督・脚本:エルマンノ・オルミ/出演:クリスト・ジフコフ、デシィー・テネケディエヴァ、サンドラ・チェカレッリ、セルジオ・グラマティコ、ディミター・ラチュコフ、ファビオ・ジュバーニ、サザ・ヴリチェヴィッチ、ジャンカルロ・ベレッリ、パオロ・マガーニャ、ニコラウス・モラス、クラウディオ・トンビーニ

メディチ家の武将、ジョバンニ・デ・メディチのお話。イタリアの歴史に疎くて、初めて聞く名前ばかりで苦労しました。

一対一の対決から、大砲による無差別攻撃へ変わっていく歴史のなかで、生と死について見つめる作品。・・・戦い方の変化という意味で、“長篠の戦い”を思い出してしまいました。
相手の顔を見ずに殺す飛び道具ができてしまってから、戦争のあり方は変わってきましたよね。勿論それまでの戦争であっても、肯定するものではないですけども。


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