映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「曲がれ、スプーン!」
![]() 2010/舞台/ヨーロッパ企画/作・演出:上田誠/出演:石田剛太、酒井善史、諏訪雅、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力、山脇唯 2月に舞台で観賞。感想書くの遅すぎ(笑)。 2009年に映画化もされた、人気作品の再演。 クリスマスの夜に怪しげな喫茶店「カフェ・ド・念力」に集まる人々。 オーナーの呼びかけで、店の名に呼び寄せられたエスパー達を集め、クリスマスパーティをする企画らしい。 普段は隠し通している能力を、それぞれ披露していくのですが、勘違いで一人、エスパーではない人物が交じってしまって・・・ 彼の口を塞ぐために、エスパー達は策を練っていく。 能力の表現の仕方がとても面白かったです。 テレポート能力とか、どうするんだろうって思ってたら、意外な方法でした(笑)。これは映画よりも舞台ならではの面白さだと思いますよ。 舞台上で表現する上でああいう工夫になったのでしょう(笑)。 引き込み方がすごく上手くて、ただでさえ短い上演時間が、すごく短く感じました。 でも、凄い満足!笑いっぱなしでしたもの! 舞台という場所を、凄く上手く使って作ってありました。もうすっかり、ファンになっちゃましたよv PR
「SPOOKY HOUSE」
![]() 2004年/piper/作・演出:後藤ひろひと/振付:竹下宏太郎/出演:山内圭哉、楠見薫、平田敦子、川下大洋、篠原ともえ、廣川三憲、石丸謙二郎、竹下宏太郎、後藤ひろひと 「ひ~は~」、「ベントラー、ベントラー・・・」へ継承していくシリーズ(?)第一弾の舞台です。 私は、真逆の順番で見ましたねぇ~(笑)。 怖い噂のある古い洋館、スプーキーハウス。 噂を利用してこの家に勝手に住んでいる三人家族と、噂を聞きつけて映画の舞台にしたいとやってきた撮影スタッフ(と言っているが、本当はカラオケ映像)と彼らにこの家のカギを渡す近所の人、そしてこの家に隠された金を探しに来た泥棒と国際的詐欺師のコンビ。 この3組が後藤大王のイタズラによって、この家でバッタリ出くわしたりニアミスしたり、誤解が誤解を生む、まぁ、ベタといえばベタなエンターテイメント。舞台だからこその、エンターテイメントです。 腹筋がよじれるかと思うくらい笑った! 後藤大王の遊び心とアイデアの詰まった作品。 私は、ベントラー・・から観たので、何となく次の展開が読めて(笑)、お約束の楽しさで喜んで見てましたが、これを第1作品として観た方にとっては本当、面白いやらアイデアに感動するやらで、大変だったのではないでしょうか。 2010年公演予定のpiper作品は観客参加型らしいですけども、この舞台もある意味観客参加型・・・しかも、気がついたら参加させられてる(笑)という、何とも驚かされる大王の遊び心。 気持ちよく笑える舞台です。こういう舞台は大好きだ!
「サマータイムマシンブルース2005」
![]() 2005年/ヨーロッパ企画/作・演出:上田誠/出演:諏訪雅、中川晴樹、永野宗典、本多力、石田剛太、土佐和成、清水智子、西村直子、角田貴志 劇団ヨーロッパ企画の映画化に伴う再演のDVD。私は日本映画チャンネルにて観賞。 物語の内容については、映画版の感想を参照してください。 先に映画版を観たので、映像での演出より見た目が地味になってしまって面白みが欠けるかと思いきや、舞台版は舞台版の面白さがありました。 何せ、映像であればどうにでもなるタイムトラベルの表現の難しさ。 舞台の上で今日の自分と昨日の自分が代わる代わる出てくる上、それを観客に分からせないといけない。まぁ、服で判別できるようにしてましたけど、舞台の裏ではドタバタだっただろうな・・と思うシーンがいくつもありました(笑)。 一つの舞台の上でタイムトラベルを成し遂げた見事さ、脚本の面白さと共に見事としか言いようがありません。 ドタバタの面白さと、ほんのりと青春の心にジンとくる感じと。 舞台ならではの魅力の詰まった作品です。
「かもめ」
![]() 2008/舞台/演出:栗山民也/原作:アントン・チェーホフ/出演:藤原竜也、鹿賀丈史、美波、小島聖、麻実れい 他 公式HP:ttp://hpot.jp/kamome/ the・ロシア文学という感じでしたね~。とにかくとっつきにくく、言ってる意味が分からない上、どれがジョークなのか分かりにくい(笑)。多分、意図と違う場所で笑いそうでした(笑)。 あと、名前!長すぎなんだって!ロシアは愛称がありますしねー。コンスタンチン=コースチャって中々結びつきませんでした。 全くの予習なしで行ったのですが、確かに予習は必要でした。時代背景が良く分かってなかったので、ロシアの文化人にとって、都会に住むということがどれだけ大切なことなのかが、分かっていなかった。後でパンフ読んで知りましたよ。あと、トルストイの名がたくさん出てきましたが、チェーホフにとって非常に尊敬する文学者だったことも。 終わったあとで、「あれ・・・直接の原因は何だっけ?」って考え込みましたもの。 どっち?ニーナのこと?それとも、自分の才能の限界を感じたから?両方? 作家志望の青年と、有名女優のその母親、その母親の恋人の売れっ子作家、売れっ子作家に惹かれる女優志望の少女。 芸術というものに翻弄される人間達を描いたもので、これは、おこがましいですけど、創作を試みたことがある人は、ちょっと気持ちが分かるかもしれない。 ネタバレ反転↓ コースチャの、芸術に対する新しい形態への熱意。自分の才能を信じる彼の熱情。でも、若くて不安定で、確かに“何か”を持っているのに、それを形にするだけの経験と実力を持たない。 コースチャの才能が実を結ばなかったのは、田舎でくすぶってたからだということでしたが・・・そうか、そういうものなのか。確かに、誰かに言いたいと、出てくる言葉は色んな人とぶつかって、話して、袖触れ合って生まれるもの。毎日同じ人間としか会わない生活では、中々に難しいのでしょうか・・・。 そういう生活だったから、彼の戯曲には生きている人が出てこないのか。 でも、コースチャの結構可哀相な境遇は、文学で実を結ぶには充分のような気がするけど。 お母さんとの激しいシーンは笑えましたね(笑)。25歳って言ってなかったか?それにしては甘えたさんだなぁ~~。お母さんが服買ってくれないからボロ着てるって言ってましたが。 仕 事 し ろ とツッコんだのは、私だけではないでしょう。 文学を目指してたから、それ以外のことをする気はなかったっていうことかな。 コースチャが自分が作った戯曲を母親に見せたときの、母親の態度は本当ひどいです。あれは創作意欲をなくしますよ・・!子供の夢を踏みにじる、親として絶対してはならないことです。 いや、しかしほんと・・・結局は似た者親子だなって思いましたよ。あの勝手さ加減。甘えた加減。 退屈で平和な生活を一変させたのは、母親の恋人トリゴーリンの出現でした。 売れっ子作家で、母親の恋人で、コースチャの好きな女の子ニーナの心まで奪ったトリゴーリン。 コースチャの何もかもを奪い去って行った彼は、コースチャに新たな混沌を与えました。 ちなみに、このときコースチャが自殺未遂したのは、全てを奪われて自分には何も残ってないという、衝動からですよね? トリゴーリンがまたくせもので、アルカージナには絶対服従、ニーナには弱みを見せたりして、非常に上手く生きている。 作家としての彼の腕がどれだけのものかは分かりませんが、彼は民衆の心を掴む方法を知っていたのでしょう。芸術に対する純粋さ、透明さでいえば、コースチャのほうが上だったかもしれない。でも、それを民衆に認めさせる力がなかっただけ。 そして、コースチャの望み全てをトリゴーリンがモスクワに持ち去ってから、2年後―――。 ここで再会したことで、コースチャとニーナの決定的な別れがはっきりしたのですね。 傷つき、その中から立ち上がったニーナの力強さ。その変化で、ニーナと自分との間に大きく開いた分かれ道を感じたコースチャは、死を選ぶ。 分かるような、理解してあげられないような物語。 ここから立ち上がるだけの強さがあれば、もっと先でニーナと会える未来もあったかもしれないし、文学的にも伝えたいことが形にできたかもしれない。 それにしても、終わったシーンがよく分かったなぁ、と思うくらい素早く拍手が沸きおごりましたが、そうか、初めてじゃない人がたくさんいるんですね・・(笑)。 竜也くんの舞台は初めてで、彼の舞台の凄さは、前評判で相当期待していたのですが、確かに彼の放つ空気はすごいですね。 いやー、しっかし綺麗な顔しとってよー、本当。 舞台上・・ストーリー上であんまり笑顔が観れなかったので、カーテンコールでの笑顔にキュンとしました(笑)。 小島聖さんの頭の小ささにびっくりしました。綺麗ですねー!麻実れいさんは、さすが元宝塚。あのちょっと下品な貴婦人喋り、凄い色気で印象的でした。 とっつきにくいし、分かりにくかったけど、不条理コメディよりは、断然こっちのが好きですね(笑)。 それに、実は(?笑)純文学って結構好きなんだ。 あ、知ってる?あ、そう~(笑)。 後でパンフを観てびっくりしたのが、トリゴーリン(鹿賀さん)が30代後半ってことと、マーシャと結婚した先生が30代前半だったってこと。 ・・・いや、それは説明してくれないと見た目じゃ分からない(笑)!
「Right Eye」
1998/NODA・MAP/作・演出:野田秀樹/出演:牧瀬里穂、吹越満、野田秀樹 ある日右目の視力を失ってしまった野田秀樹氏。 Right右の(正しい)目を失って、left左の(残された)目で世界を見なくてはいけなくなった野田氏のエピソードと、彼が執筆中の舞台脚本の物語(戦場のカメラマンの正義と名声に揺れる心の物語)とが交錯する、高尚な言葉遊びと新鮮な演出法の舞台でした。 野田氏の舞台を見るのはこれが初めて。 NODA・MAPの中でも番外編というカテゴリに入ってる作品ですが、彼の作品の中でも異色ということかしら? たった3人の舞台ながら、重いテーマがしっかりと描かれ、それでいてコメディ要素も多い舞台でした。 それにしても、フキコシは野田氏の演出法に向いてるんだなぁ。すごく、フキコシがフキコシらしい演技でしたよ。 しかし・・・自らの右目失明すらも舞台にしちゃうなんて、野田氏の人生における舞台の比重の重さを感じますね。凄い・・! |
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