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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「ウーマン・イン・ブラック」


2008/舞台/原作:スーザン・ヒル/演出:ロビン・ハーフォード/出演:上川隆也、斉藤晴彦

公式ページ:ttp://www.parco-play.com/web/play/woman08/

イギリスのある劇場が舞台。
北イギリスの片田舎で起こった、ある怪奇な物語に関わった弁護士キップスの独白を、彼と若い俳優二人で、キップスの友人と家族に話すために芝居仕立てに演じることにする。
若い頃のキップスを俳優(上川隆也)が、キップスに関わった人々を老キップス(斉藤晴彦)が演じる。
老キップスは言う。
霊的なもの、怪奇なものに遭遇するということは、人々が怖い話をして楽しむような、そんなものではないのだと。
あの日から、キップス弁護士をずっと苦しめていた呪縛から解き放たれるために、話すのだと。

いやー、前半は効果音に驚く程度で、それほど怖いとは思いませんでした。
これなら、大丈夫かしら!と油断していたのですが・・
後半は、怖かったですね(笑)。とはいえ、夜眠れなくなるほどではないけど。
休憩時間に、同じ会場に来ていた友人D(彼女は1人で来てたのですよー)と話したのですが、そこで(ネタバレ反転)「多分、あの黒い服の女の人が、上川さんは斉藤さんが用意した人だと思ってるけど、本物の幽霊だったってオチだろうね。」と言ってました。まぁ、私もそこまでは読めていたんですが、予想とはいえ、ダメだよ友人D、会場内で大声でそんなこと言っちゃ(笑)。
まぁ、そこまでは誰もが気づくところなのでしょうけど。
ただ、そのことによって起きる悲劇を知って、うわぁっ・・・と本当に怖くなりました。
その無差別さは、貞子だよ・・
知ることによって復讐の輪が増幅されていく感じとかもさぁ、そんな感じですよねぇ。

舞台セットがまた怖くてさー!
始まる前とか、無意味に緊張していました。

そのくせ、前半で油断してからはちょっとリラックスしてましたけどね(笑)。
若キップス氏が「おやすみ、スパイダー。」って言って完璧に会場内が真っ暗になった一瞬、私も眠りに落ちてましたもの(笑)。
数秒後、若キップス氏がうなされて「うわっ!」って起きた瞬間、うわっ、寝てた!って自分にビックリしました(笑)。
そこから、だけどね・・・フフ・・・そこからは寝れるわけはなかったです(笑)。

上川さんもカッコ良かったのですが、斉藤さんが可愛くて(また可愛いとか言ったら失礼かしら。苦笑)!
愛想のない御者の・・・名前忘れた、元御用聞き?みたいな人の、突然馬車を走らせる、「そぉ~れ」がツボでした。
あー、そういえば一つだけ疑問が!(反転↓)
あの御者、最初に若キップスが屋敷に泊まったとき、夜中の2時頃迎えに来たでしょう。
あれ、夕方の5時以降は通れなくなるんじゃなかったの??彼はどうやって屋敷まで来たんだろう。
それだけがすごく不思議でならないんですが・・・

観たことある方、ご存知だったら、というか私が何か聞き落としてたら教えてください。。
怖かったけど、確かに面白かった。凄い作品であることは、納得です!
まぁ、「心臓の弱い方は気をつけてください」とかいう注意書きはなかったので、誰でも大丈夫じゃないでしょうか。機会があれば、是非に・・・*
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「江戸の青空 〜Keep On Shackin'〜 」

2009/北九州芸術劇場Produce/企画:AGAPEstore/演出:G2/脚本:千葉雅子/出演:西岡德馬、須藤理彩、中村まこと、松永玲子、戸次重幸、有門正太郎、中井出健、蘭香レア、小西遼生、いとうあいこ、松尾貴史、柳家花緑、植本潤、吉田鋼太郎

劇場にて観賞。
上方落語をいくつか組み合わせて作られた物語。
落語をよくご存知の方からしてみると、(多分有名どころなので)知ってる話同士がどう結びついていくのか見て楽しい物語だと思われます。
私は、落語には全く詳しくないのですが、それでも物語自体がちゃんと筋立っていたので、それのみで楽しめましたよ♪
最後、「ああ~!」という声と拍手で終わる舞台というのも、落語を基にした物語ならでは、ですね。

物語の舞台は、江戸時代末期。お店のお金を落としてしまった文七(小西遼生)。言い出せないままに、いつの間にか、嫌疑は偶然店に居合わせた、柳屋格之進(西岡德馬)に向かう。が、実はそのお金を偶然拾ったのが、ダメ亭主の勝五郎(戸次重幸)。浮かれる勝五郎だが、やりたい放題遊び呆ける勝五郎を見かねた妻(須藤理彩)は、同じ長屋の道場の弟子、山坂(植本潤)と一計を案じ、お金を仏像の中に隠してしまう。
そうとは知らぬ道場の師範(吉田鋼太郎)から、お金を入れたまま、仏像は色んな人の手を渡っていく・・・

多分、落語をご存知の方は、これを見ただけで、既に多くの話が交ざってることがお分かりでしょう。(私は後でパンフで確認したんだけど)
上手く一つの物語に作り上げられていて、とても面白かったです。

私が観に行った回は、どうもハプニング続きだったようです(笑)。
小道具が壊れるわ、逆に割れなきゃいけないものは割れないわ、うっかり落ちてしまうわ。
それを上手く笑いに持っていくアドリブ、さすがですね!!

柳屋さんと松永さんの夫婦のやりとりが凄く可愛くて好きでした。ハプニングその3はこのお二人のシーンでしたよ(笑)。

戸次さんも松尾さんも凄く良かったんですが、私、この舞台で植本さんのファンになりました(笑)!!!
なんて、なんて可愛い動き!テンション高くて跳ねてて、最後までその動きの可愛さにうっとりしてましたよvv
誰だ誰だ、と思って後でパンフで調べたら、花組芝居の方だったんですねぇ・・・!うわーうわー、「百鬼夜行抄」で律のお祖母さん演じられてた方だ!
役によって、本当に色んな印象になられるんですねぇ。

豪華キャストと豪華な物語。ほんとゴージャスな舞台でした!
「狭き門より入れ」

2009/Team申/作・演出:前川知大/出演:佐々木蔵之介、市川亀治郎、中尾明慶、有川マコト、手塚とおる、浅野和之

公式HP:ttp://www.parco-play.com/web/play/semaki/

舞台はコンビニ。会社を退職してきたばかりの主人公・天野は、父親が倒れたという知らせを受けて、実家のコンビニに帰ってくる。
自分なりの正義を貫いてきたつもりだった天野。でも、気がつくと大義のために弱者を切り捨てることに何の感情も持たない人間になってしまっていた。
そんなとき、天野の前に、7年前に死んだはずの親友・葉刈が姿を現す。
「世界の終わりと新たな始まり、更新の日は近い。」

狭き門を通るのは誰か。そのための条件とは何か。



前知識はタイトルと役者陣のみだったので、もっと抽象的な舞台かと思いきや、物語自体はとても分かり易く、誰の心にもリンクしやすいものでした。舞台上にコンビニがあった時点ですごく驚きましたよ。こんな身近な場所が舞台なんて!
コンビニの時計が現在の時間(開演前だから、19時直前ね)にぴったり合ってることを確認。あの時計が何か関係するのかな~とか思いつつ(異様に光ってたし)。舞台上のことが現在進行形で起こってるような感覚を覚えました。なので物語中、自分自身が選択を迫られてるような気がしましたよ。

私なら、どうするだろう。

舞台上のことが、本当に起こっててもおかしくない。(まぁ、宇宙は誰かの腹に繋がってるって言いますしね。笑)
もし、それを知ってしまったら、私ならどうするだろうか。
選べるとしたら、どちらを選ぶのか。



タイトルの「狭き門より入れ」は、新約聖書の言葉です。

「力を尽くして狭き門より入れ。滅びにいたる門は大きく、その路は広く、之より入る者多し。生命にいたる門は狭く、その路は細く、之を見出す者少なし。」(新約聖書のマタイ福音書第7章第13節)


ここからネタバレ入ります。反転!

新世界へ行ける条件は、自分自身に対する意識を捨てられる者?だったのかな?こぶとり爺さんの例え話は壮絶でしたね。
狭き門は、ほとんどの人が選ばないはずの道。もともと狭いわけではなく、わざわざ辛い方を選ぶ人は少ないってことですよね。しかもそれを、自然な感情で選ぶ人。

狭き門を通った人だけが行ける、膿みを切り離した理想的な社会。
しかし所詮は、誰かの手によるノアの箱舟じゃないか。という疑問が起こります。
切り捨てて出来上がった社会、傷を忘れてしまった純粋な赤ちゃんたちの社会も、きっとやがてどこかにまた歪みが起こり、岸や葉刈が属する組織?がまたそれを切り離す。そのことが前提で行われている更新なのです。
それを繰り返していくことが、本当に世界が良くなるということなのか。その世界に属して、本当に幸せなのか。

傷を忘れたくないと、天野は言う。
そう、狭き門を目指す人はきっと、そう思うことでしょう。その人たちを別に新しくあつらえた箱庭に閉じ込める。ああ、勿体無いなぁ・・・と思わずにはいられません。本人達は望んでないのになぁ。
つか、そういうことをする時点で岸や葉刈たちは新世界への資格があるとは思えないんだけど・・・(正直、最終的に旧世界にいっしょに残るのかと思ってました)

新世界への資格を持たなくてはならない、柱。
彼らが柱を旧世界に残していったのは、パンドラの箱の底の希望なのかな。絶望して切り捨てる中で、もしかしたら、っていう希望なのかもしれない。可能性を、捨てきれないのかもしれません。
少なくとも、葉刈は天野に何かを期待しているような気がする。

どこまでもどこまでも絶望して、その中から見出す僅かな希望。
天野の選択こそが、私たちにとっての希望ですよね。
ラストの彼の台詞に、胸がいっぱいになりました。

「ゴミ溜めの世界が、こんなに美しいとは。」

新世界よりも、私は天野の残った世界にこそ、期待を寄せずにはいられない。
これは、滅びの物語ではなく、究極の再生の物語なんです。
そのために何が必要なのか、天野が出した結論が教えてくれたのです。


くだらないとか、つまらないとか、そんなことばっかり言ってちゃダメですね。
私にできることは何なのか、考えなくては。
狭き門をこそ、選べる人になりたいですね。
ああ、何か言葉が足りない気がする。あのラストの言葉を聞いたときに感じた震えの意味について。まだ何か足りない気がする。
後から後から、色んな思いがついてくる物語でした。
その物語を凄まじい迫力で演じられた役者陣の方々、本当に見事です!
「MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人」
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2004/舞台/演出:G2/脚本:後藤ひろひと/出演:伊藤英明・長谷川京子・山崎一・犬山イヌコ・山内圭哉・片桐仁・瀬戸カトリーヌ・加藤みづき・木場勝己

2004年に、舞台にて観賞。そしてケーブルで再観賞。
私が初めて観た後藤大王の作品です。それでいて、彼の作品の中で1番心に残る作品です。こんなに心の琴線に触れてくる舞台は初めてでした。
あ、あと、山崎一さんの大ファンになった作品ねっ♪

「弱い生き物はぜーんぶ死んで、強い生き物だけが生き残ればいいのです。」

ある病院の入院棟での出来事。回想で語られる、一人の嫌われ者の老人と、絵本を抱えた少女の物語。そして、彼らの物語に関わった入院患者たちの物語。

嫌われ者の大貫老人がまた、本当にワガママ放題で、弱者を軽蔑する最悪な老人。正直、途中で見るのが苦痛になるほどでした。心底嫌悪感を抱かされた。
そんなとき、彼は絵本を抱えた少女、パコと出会う。
どんなに意地悪されても、毎日毎日笑いかけてくるパコに戸惑いを感じていたが、ある事件をきっかけに、大貫老人はパコの抱える真実を知る。
その真実を知った大貫老人が取った行動は・・・

ネタバレ反転↓
本当は出会うこともできなかったはずの二人。
神様が何故二人を会わせたのか。
人に見せる弱さが、素直になることが心地良いことを初めて知った大貫。
普通の女の子のように笑うパコ。
二人の寄り添う姿を見ると、本当に暖かな気持ちになる。


人生の中の大切なことって、絵本の中に書いてあるくらい、実は単純なことなのかもしれません。シンプルだからこそ、失くしがちで、見えなくなってしまう。

大貫とパコの物語が強烈すぎて、うっかり主演のはずの伊藤英明とハセキョーの物語が霞んでしまってました(汗)。
が、彼らの物語が終盤にあんな大爆笑を取る展開に繋がっていくとは・・(笑)!あの衝撃は忘れられません(笑)!

ハセキョーのキャラクターがちょっと、どっちつかずな感じで、中途半端だったかなって思います。伊藤くんは、演技は本物なんですが(本当に涙流れてたし)、やっぱりちょっと舞台慣れしてないかな~という・・・ごめんなさい、脇役のキャラが濃すぎたせいか、この二人が本当に目立たなかった(汗)。
でも、生ハセキョーはものすごいスターのオーラを放ってましたよ。本当に綺麗でしたvv

何といっても、山崎一さんと瀬戸カトリーヌさん。この二人のキャラがすごい印象的でした。瀬戸さんがあそこまでやってくれるとは本当、綺麗なのにこの人、凄い方ですねぇ!大好きです!
山崎さんはもう・・・ムチャクチャ可愛かったですvv
遊びに夢中な少年のような顔、優しく見守る医者の顔、色んな表情を持つ魅力的なキャラクターでした。私の中で、この役の山崎さんが1番好きです・・・!
あとは、後藤大王ですね(笑)。物語に参加しているようで、いなくても全く問題ない位置にいて、ただ単に引っ掻き回していく役(笑)。彼が出てくると、舞台にスパイスが効く感じ。そういう役割なんでしょうねぇ。

爆笑の渦と、悲しいけれど幸せな涙と。
私の中で、とても大切な作品です。
「浪人街」
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2004/舞台/原作:山上伊太郎/脚本:マキノノゾミ/演出:山田和也/出演:唐沢寿明、松たか子、伊原剛志、中村獅童、田中美里、成宮寛貴、田山涼成、升毅、鈴木一真

映画やドラマで何度もリメイクされている作品とのこと。私はこの舞台で初めてこの物語を知りました。

時は幕末。江戸の下町裏界隈を生きる浪人たちの生き様を描く物語。

とにかく、セットと衣装が豪華!!!今まで観た舞台の中で1番金かかってますね、これ。豪華なセットの中で、豪華キャストによって演じられるこの舞台は壮観でした。
特に中村獅童さん!歌舞伎俳優だけありますねぇ、あの存在感!カッコイイったら!!ドラマで観るよりずっとステキでしたよ。

物語的には、中々理解しにくいものでした。物語的に、というよりも、キャラクターの性格的に。急ぎすぎたのか、詰め込みすぎたのか、心理描写があんまりなくって、最後まで荒牧源内(唐沢さん)がどういうヤツなのか分からなかった・・・
でも、唐沢さん曰く、男にとっては荒牧は理想的な男、らしい。
普段掴み所がなくって何考えてるのか本当に分からないけど、ここ一番ってとこで本気を見せる辺りかな?
わからんこともないが、私はあんまり恋したくない相手だなぁ。。


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