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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「モーターサイクル・ダイアリーズ」
モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]

2004/イギリス=アメリカ合作/監督:ウォルター・サレス/出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ

公式サイト:ttp://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/m_cycle_diaries/


スターチャンネルにて、視聴。
ラテンアメリカ解放の革命家チェ・ゲバラの若き日の物語。医学生だったゲバラが、友人と二人で南米を回る放浪の旅に出る。この映画は、ゲバラの日記を基に製作されているとのことです。

武装した革命家でありながら、多くの人に愛されるチェ・ゲバラ。
アルゼンチンの裕福な家庭に育ち、喘息持ちのゲバラが、何故キューバの革命に参加したのか、何故これほど人気があるのかが理解できる作品でした。
彼のカリスマ性が、どうやって生まれたのか。

この旅によって、彼は“以前の自分ではなくなった”と言っています。
実際に目で見て人と話すことによって、彼は現実を目の当たりにし、大きな疑問を胸に持つ。

世の中、間違ってるんじゃないか。

そう思っても、中々口に出すことはできない。また、自分が当事者ならまだしも、自らの安全な地位を脅かしてまで、行動に移すことは難しい。

ゲバラには、きっと他にも生きる道は多くあったでしょう。
医者として多くの人の命を救うという人生もあった。
それでも、彼は、最も弱い人たちのために戦うことを選んだ。

身体も弱く、医者としての道もあった彼が、選ばなくてもいい道だった。


彼がとても一途で、正直な人間だったことは、この映画を観れば分かります。
彼は、自分の心の中の疑問を封じ込めることができなかったのですね。


彼の選んだ道は、彼だけの人生の道。

ただ、彼が自分の道を定めるに至ったこの放浪の旅の物語は、自分が何をすればいいのか分からない人への指針になることでしょう。

迷うなら、自分の目で見て、確かめることです。
自分の心に、正直に問いかけることです。

あたり前のようだけど、中々できることではないですよね・・・。


ゲバラについては詳しくないのですが、この後彼がどうなったのか、革命家としてのゲバラも知りたいと思いました。
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「テス」
テス [DVD]

1979/イギリス・フランス合作映画/監督・脚本:ロマン・ポランスキー
/原作:トーマス・ハーディ/出演:ナスターシャ・キンスキー、ピーター・ファース、レイ・ローソン

トマス・ハーディの「ダーバビル家のテス」の映画化。
封建時代のイギリスで生きる女性の、ひたむきであまりに悲しい運命の物語です。

貧しい家に生まれたテスは、類稀なる美貌に恵まれていました。
ある日、牧師より「先祖が名家の家系である」と知らされた両親は、遠縁にあたるダーバビルの姓を持つ金持ちの家にテスを使いにやり、援助を申し込む。
だが、テスの美貌にすっかり魅了されたダーバビル家の息子は、地位を利用してテスを情婦にしてしまう。
そして、そのことがテスのその後の人生にいつまでもいつまでも付きまとう影となる・・・。

あんまり美人だと、かえって大変だなぁ・・・
というのが開始30分までの素朴な感想でした。今の時代だと、こんなことはないのでしょうが、封建時代のイギリスにおいて、女性の生きにくさといったら!
彼女自身はちっとも悪くないのに、世間に振り回されてつらい人生を送った女性の物語でした。あまりの理不尽さに、涙が止まりませんでした。

誰が責められよう。(反転↓)
家族が生きるために、犯されても耐えるしかなかったテスを。
それでもプライドを持って自分を取り戻そうとしたテスを。
生まれてきた罪のない子供を愛したテスを。

やがてテスは暗い人生の中で、牧師の息子と愛し合い、過去を話せぬまま結婚式を迎えてしまう。そして、その夜、彼女は勇気を出して夫に過去を話すのですが・・・
何がエンジェル(テスの夫)だ!
あんなにテスに恋焦がれてたくせに(萌えたんだぞ、あたしは!)、自分が愛したテスじゃない、なんて、それじゃあテスは・・テス自身は何者なの?あれほど苦しんだテスを、君のせいじゃないと言いながら拒否するエンジェルの言葉に、私の胸もひどく傷つきました。
ひどい ひどい ひどい!!

外国に行ってしまった夫をひたすら待ち続けるテス。
重労働を愚痴ひとつ零さず必死に働くテス。
こんなに働き者で一途なテスの、一体何を見て蔑むの?


この作品は、トマス・ハーディの出身地が舞台。男性の手によって、この理不尽な封建体制が描かれたとは、驚きました。
当時、そんな風に考えるなんて決して有り得ないことだったでしょうに。
この物語が男性の手によって描かれたこと、少し嬉しいです。
「真珠の耳飾りの少女」
真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]

2003/イギリス/監督:ピーター・ウェーバー/出演:スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィ

オランダの画家フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」が描かれた背景を描いた作品。
フェルメールといえば、17世紀というオランダ絵画の最盛期の画家。17世紀オランダ絵画については、特別な光の描き方がなされてると、「オランダの光」というドキュメンタリー映画で観たことがあります。もっとも、そのドキュメンタリーは、その光が本当に存在するのか、という絵画の中だけではなく、自然光としての存在を実証するものでしたが。

この映画の中でも、その光は非常に意識されて作られていたと思います。「真珠の耳飾りの少女」のモデルの少女(映画の中の設定です)、使用人のグリードがアトリエの窓を開けた瞬間に部屋の中に溢れる光。
まさに、オランダ絵画を思い起こさせる画でした。

映像美だけでもおなかいっぱいなほどスバラシイ映画でしたが、フェルメール役の俳優さんがコリン・ファースだなんて もう 贅沢すぎる・・!
あまりのカッコ良さに息が止まりそうでした・・!

フェルメールがグリードを見つめる、じっくり品定めする、絡めつくような強い視線。その視線に恥ずかしそうに耐えるグリード。

し 心臓が壊れそう・・・!

あの人は目で殺しますね、ほんと。
コリン・ファースのあまりの目線の強さに、私の方が正視できませんでしたよ(笑)。

フェルメールは、グリードの感性の鋭さにも感銘を受けるようでしたが、グリードの言葉はほんとうにすごい。

心まで描くの?」

にはフェルメールも驚いたでしょうね。彼女に惹かれるのもしょうがない。つか、画家としてこれ以上の褒め言葉はあるでしょうか。

プラトニックなのに、だからこそ、何とも官能的なラブストーリーでした。つかもう、コリン・ファースの魅力が最大限に引き出された映画でした。久しぶりに映画でむちゃくちゃトキメキましたよ。
「フォー・ウェディング」
フォー・ウェディング (ベストヒット・セレクション) [DVD]

1994/イギリス/製作総指揮・脚本:リチャード・カーティス/監督:マイク・ニューウェル/出演:ヒュー・グラント、アンディ・マクダウェル、クリスティン・スコット・トーマス、サイモン・カロウ、ジェームズ・フリート、ジョン・ハンナ、デヴィッド・バウアー

知り合いの結婚式をとおして何度も出会う二人が、恋心を募らせていく。
ヒュー・グラント主演の恋愛映画。彼の完璧ではないカッコ良さ、いいですよねぇ。ちょい情けない感じが、逆に母性をくすぐる。

コメディタッチに描かれていて、見てて楽しい映画です。
“結婚”という二文字に振り回された二人だけど、彼らが最後に選んだ道は・・・アリっちゃアリなのかなぁ?
個人的には、あの展開で何故結婚に固執しないかどうかって最後に聞いたのか、よく分からない?
まぁ、そういうのに疲れたのかもしれないけど。
エンドロールの感じでは、幸せになったみたいですしね!夫婦じゃなくっても。



ちょっと驚いたのは、イギリスの結婚式ではキスしないんですね!指輪だけ。ヒロインがアメリカ人の女性だったのですが、彼女がそう指摘してましたよ。アメリカではゴーカイにチューするのにな!って。(←そんな言い方はしてない)

あれはアメリカ方式だったのかー!つか、何故そっちに染まったのか日本!イギリス方式にしてくれよー!

「会ってから3週間は経たないと、“今夜、どう?”なんて言えないよ」
「イギリス人は内気だから・・・」

などなど、私は案外イギリスを誤解してたんだな、って分かりました(笑)。そぉなんだー!!
ちょっと親近感。。でも実際は3週間も待ってない映画が多いけどね!気持ち的にはそうだってことかなぁ?
実際にはどうなんだろう。。

結婚式やお葬式の場面ばかりでした。やっぱりアメリカともちょっと違う感じなんですね~。色々カルチャーショックでした。
面白かったです。
「戦場の小さな天使たち」


1987/イギリス/監督:ジョン・ブアマン/出演:サラ・マイルズ、セバスチャン・ライス・エドワーズ、デヴィッド・ヘーマン、イアン・バネン、サミ・デイヴィス、ジャン=マルク・バール、チャーリー・ブアマン

すごい作品でした。
戦争映画なのに、コメディ!空襲とかある戦時下のお話なのに、コメディ。しかも思わず笑ってしまう・・・ある意味、すっごい映画でした。
子供の目を通して見た戦争の物語。
戦争が始まって、少年ビリーとその家族の生活は一変します。
パパが兵士志願し、友達のお母さんは空襲で亡くなってしまう。

そんな話なのに、コメディ。

いや~、ビリーがとんでもないの。ビリーだけでなくて、子供達が。天使ってそういう意味かよ・・という(ある意味、無垢)。
心を病むのは大人ばかり。
真剣な大人をよそに、子供達のやりたい放題ぶりが・・(笑)。
子供って、自分に起こってみないと辛さとか悲しさとかが分からないのかしら。
でも、そんな悲しみは知らない方がいい。
どちらにしても、無垢な子供を、大人たちの都合で振り回すものですよ、戦争って。
家が燃えた悲しみより、おもちゃが溶けたことに落ち込むシーンがあるのですが、「そういう場合じゃねーよ」と呆れもしますが、それだけ戦争が彼らにとって関係のないことで、そういうことで子供たちに悲しい思いをさせるのは、やっぱり大人の都合だよな、とも思います。

いや本当、恐ろしい発言が多くてもう・・・(汗)。

大人になって、こういう視点で描けるのは、本当にすごいと思います。
名作の一つだと思いますよ。


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