映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「木靴の樹」
![]() 1978年/イタリア/監督・脚本:エルマンノ・オルミ/出演:ルイジ・オルナーギ 、オマール・ブリニョッリ 、ルチア・ペツォーリ 、フランコ・ピレンガ 、ロレンツォ・ペドローニ 「ジョバンニ」のオルミ監督の一番有名な作品ですね。イタリアの小作民の生活が丁寧に描かれた作品です。収穫の2/3を地主に取られる極貧の生活の中で、彼らは明るく敬虔に生きていきます。 小作民の家族4世帯が主人公で、登場人数の多さと画像の粗さとイタリア人の顔の区別がつかない(皆、濃い・・。汗)のとで、どれが誰だか、把握するまでに時間がかかりました。淡々と進む話の上、3時間という長さ。でも、全然長さを感じませんでした。すごく好きです、この映画!! 何がいいって、貧しくって大変なのに、正義感が強く、家族を愛し、神を信じ、善良に生きる彼らの姿です。「ロミオの青い空」のロミオの家族を思い出します・・! でもね、それがこの家族だけじゃないんです。当たり前のように、この時代の貧しい方たちにはその生き方が浸透してる。疑ったりしないし、見捨てたりしない。 まぁ、ちょっとばかり他の家を出し抜いてトマトを早く出荷するおじいさんの企みがあったくらい?夜中に秘密の作業してたりして、可笑しかったです、が、実際、生活のための死活問題なんですよね・・。 可笑しいエピソードがたくさん詰まってて、すごく楽しい映画でした。 そうそう!あれね、本当にそういうのやってたんですね。 “勇者の木登り”!!(@ロミオの青い空) 聖母祭のシーンがあったのですが、そのなかでやってました。まさにあんな感じ。ただ、粉を棒に振りかけていたので、より危険だと思われます(汗)。登れる子、いるのか?? コインの話は爆笑しました。案の定だよ!おバカな子(笑)!※おじさんですよ。 夜、皆で集まって作業するんですが、そのときにしてた怖い話、何だか聞き覚えがあったんですが・・・。「おまえだー!」シリーズのやつ(笑)。途中で、「ん?この展開は?」って思いましたもの。あれって、イタリアが源流だったんですね~。エピソードの違う、色んな話が飛び交ってますけど。 あと、ものすごく意外だったのが、ストーカーちっくの男。 (ネタバレ反転↓) まさか、結婚するとは思いませんでした(笑)。 彼女が帰るところを数メートル後ろからずぅっとついて来たり、待ち伏せしてたり、本当に気味が悪かったのに。 ニヤニヤしてる感じがまた、イヤ~な感じでした。 普通に待ち伏せしてるならともかく、隠れるように待ち伏せしてたりして、彼女が「驚くじゃないの!」と気味悪そうに見てたというに・・・ 一体どこで何がどうして・・・ 男女の仲はよく分からないです。 彼女たちが結婚して、養子をもらいに行くシーンも印象的でした。養子を迎えることで、国から養育費が出る。彼女たちの生活も助かるし、子供は親を持つことが出来る。なんてすごい制度なんだろう!助け合いの制度ですって。 「大切に育てなさい。幸せになれる。」 表題の、木靴のエピソードについては、物語の一部でしかありません。が、これを表題に持ってきた意味が、ラストまで見るとすごく実感できます。彼らの生活の現実なんです。 すごくいい映画でした。今まで見た中で、かなり上位です。 PR |
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