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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「神様とその変種」


2009/NYLON100℃/作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/出演:峯村リエ、みのすけ、大倉孝二、犬山イヌコ、植木夏十、廣川三憲、長田奈麻、藤田秀世、水野美紀、山内圭哉、山崎一


浮浪者風の男性が、舞台に出てくる。
「神様で~す。」

「この舞台は、冒頭で神様が出てくるような舞台です。しかも、自分で神様ですって自己紹介してしまってます。この時点で、客席から“しまったぁ~!”って空気が流れるんですけどね。」


この時点で、この舞台絶対面白いと思いました(笑)。
つか、あのオープニングはムチャクチャカッコ良かったなぁvv

3時間という長さを感じさせない、先が気になって仕方ない舞台でした。物語の展開としても、テーマの重さを忘れさせる笑いの数々をとっても、最高の舞台でしたよ。
とにかく、台詞の言い回しとあの 間 がたまりません!
あれはナイロン、つか、ケラさん特有ですよね。大好きだ。

物語はサスペンス風味。
動物園の向かいにある家が舞台で、その3階にはいじめられっ子の男の子ケンタロウ(みのすけ)の部屋がある。
主役は、その子の母親(峯村リエ)。ですよね。
彼女は息子を守ろうと必死で、息子のこととなると、何かおかしい。
父親(山内圭哉)は風呂場で何かを焼いているよう。風呂に入ろうとする息子を必死で止める母親の姿から、何か変だな~と思った頃。刑事が登場し、どうやらこの家を訪れた人の多くが、何故か連絡が途絶えてしまっているらしい。

行方不明になった家庭教師の代わりの、新しい家庭教師に水野美紀。
向かいの動物園のゾウの飼育係で、自称ケンタロウの親友が、大倉孝二。
そして、ケンタロウが暴力事件を起こした相手の男の子の両親に、山崎一、犬山イヌコ。

とかいうと、ムチャクチャ暗そうじゃないですか(笑)。
勿論、重厚なテーマを失わず、それでいて終始笑いが絶えない。

劇中、何度も忘れた頃に登場する自称神様の浮浪者がいい。結局彼の正体が何だったのか・・・(笑)。

役者陣の好演っぷりも素晴らしい!
峯村さんのあの鋭いきりかえしがたまらない(笑)!
大倉孝二、やっぱり凄い好きです(笑)。ナナメ前くらいの女性が、彼が言葉を発する毎にハマっていらっしゃって、そっちにもちょっとウケました(笑)。よっぽど好きなんだなぁ。
みのすけさんは、あの年齢で小学生が違和感ないって凄すぎですよね(笑)。ピュアさを演じるのって、闇の強い人を演じるより難しい気がする。(「ガラスの仮面」の「二人の王女」のように。笑)
山崎一さんは、やっぱり可愛いvv彼の纏う空気はほんと、どツボです。
犬山さん(ポチたまのナレーションや、ニャースの声をされてる人っていったら、大抵の方がご存知でしょう)は、年齢・性別を超えて変幻自在に演じられる方、というのが、すごい実感されました。つか、本当の年齢・性別でいえば、今回の役が1番自然なのですが、だからこそ、ですね。今までのすごさが改めて分かりましたよ。

登場人物それぞれの、優しさと弱さと狂気と。観ている人たちは、彼らのどこかの心理に、闇に、共感するのかもしれません。
私は犬山さんの狂気が、個人的にグサリときたなぁ。人からは滑稽に見えるのかもしれないが、実際にああいう要素を持ってるかもしれないなぁ、と思うと笑えなかった。
考えてみれば、この家の向かいが動物園ってことはさ、観客の目線は、動物園の動物たちが、人間たちのこの真剣で一生懸命な、滑稽な顛末を観ていたってことなのかもしれませんね。なるほど、なるほど。

脚本・演出と、役者の演技とが、見事に完成度の高い舞台でした。
生ナイロンは2回目ですが、やっぱり好きだ。
次の舞台も絶対観に行くと思います!!
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