「中国の鳥人」
![中国の鳥人 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/21QEACVNKYL._SL160_.jpg)
1998/日本/監督:三池崇史/原作:椎名誠/出演:本木雅弘、石橋蓮司、マコイワマツ、奥田智彦
椎名誠の短編が原作です。
この方の短編に一時期ハマってて、この作品も原作で読んだことがあります。
が
これをどうやって映画化したんだろう?と不思議に思っていたんですね。
というのも、原作の短編は、日常の世界から不思議な世界へ迷い込むような、背筋をゾクリとさせる怖い物語なんです。
その中でも、この物語はとても幻想的で、印象深い物語でした。
中国の奥地に出張で行く羽目になったサラリーマン(本木雅弘)。ものすごい苦労して辿り着いた雲南省奥地のその村では、鳥人の伝説が信じられ、学校で鳥人になる訓練を行っていました。
これね、到着までの苦労が本当凄くて、私が中国に旅行に行きたくないって思っていた一番の原因がこの原作のせいだと思うんですよ(笑)。
映像化しないで欲しいと願っていた(映像化はされてませんでした!)シーン。
(原作のシーンです、あしからず)
トイレに行ったときに、壁全体が何やらゆらゆらと動いてて、何だろうと思って触れたら、虫の群れがザーッと移動した、というエピソード。
読みながら血の気が引いてました。
忘れられません!
このシーンはなかったけれど、色々と・・・大変そうでしたよ(笑)。
これね、この映画は原作を知らない方が素直に見れて良かったかもしれません。私はつい、見比べてしまいましたから。
さすがに、ラストは原作とは違いました。
原作の怖さはなく、ただただ、切なくなるような、胸の締め付けられるラストでした。
これはこれで、すごく良かった。
怪しげな通訳の中国人や、旅を同行することになった暴力団とか。出てくる人がすっごく個性的で面白かったです。
声上げて笑うシーンもたくさんありましたし。
それに、村のシーンがすごく綺麗でした・・・!
失ったものへの憧れと思慕。
笑いと切なさが入り混じった物語です。
映画として、かなり上質な作品ではないかと思います。
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