「風が吹くまま」
![風が吹くまま [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/215VC6NAPPL._SL160_.jpg)
1999/フランス・イラン/監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ/出演:ベーザード・ドーラニー、シアダレ村の人々
珍しい葬式の取材のため、山奥の村にやってきたTVクルー。
瀕死の状態のお婆さんの死を待ちながら、村に滞在するのですが、お婆さんは中々死なない。
日常的にルーティン的に進んでいく中で、主人公のTVクルーの男性の心情が少しずつ変化していくのが伝わってきます。
仕事のために、苛立ちを隠せない気持ちと、村の人たちとの交流の中で、少しずつ彼らを好きになってる気持ちと。
死を待つ自分の浅ましさと。
「桜桃の味」もキアロスタミ監督の映画ですが、死を扱うことによって生の輝きを見せるという意味で、テーマが同じなのかな。
私たちは忙しすぎて、生きることを楽しむことを忘れてる。
ラスト近くのお医者さんの言葉が、すごく胸を打ちます。
淡々とした映画ですが、会話がとても面白いし、風景がとても綺麗で飽きません。
井戸を掘る男性(最後まで顔が出てこない!)との会話が絶妙でした。
初対面でああいう気の利いた会話ができるのって凄いなぁ!
テーマの扱い方が、ハリウッドよりは日本映画に近い感じがします。
イマジカの“POINT OF VIEW”によると、この監督さんは小津安二郎監督のファンなんですって。へぇ~~
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