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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「プライドと偏見」
プライドと偏見 [DVD]

2005年/イギリス/監督:ジョー・ライト/原作:ジェーン・オースティン/出演:キーラ・ナイトレイ、 マシュー・マクファディン 、ドナルド・サザーランド 、ブレンダ・ブレッシン

原作が大好き。
ということで、かなり審査眼は厳しかったと思います(笑)。や、でも、とっても良かった!!!
絵になる映画でしたね。風景と建物と人物のバランスが、どのシーンを切り取っても絵になる感じでした。
2時間にまとめあげなくてはいけないので、色々省いてあるだろうなっていうのは予想してましたけど、上手くまとめてあったと思います。
個人的には、5女のリディアのことをリジーがあんまりひどく言うのが嫌だったので、その辺りがあっさりしてたのは喜ばしい。
まぁ、当時、それをやることは現在では犯罪者扱いなのかもしれませんけど。もうちょっとリディアの心配しろよ。精神的に幼い子供なんだからさ。そう育てたのはあんた達なんだからさ。と、本に向かってブツブツ言いましたもん。
映画のラストでも、ちょっとパパがひどいこと言ってましたけどね。
その一言、いらん!娘は平等に愛せ!
国も時代も違う昔のこと、現代の常識で見たら変なこともあるのでしょうけども。

リジーは、気が強いけど地味イメージなので、キーラは華やかすぎだな、と感じました。綺麗でしたけどね。
でも、ダーシー氏は中々良かったです。あの暗い目がたまらん!
眼力の強さは、コリン・ファース(ドラマ版のダーシー役)にはちょっと負けるかな。でも、不器用な優しさ加減がとてもステキでした。

個人的に萌えたシーン。
ヒングリー家での舞踏会で、ウィッカム氏を探すリジー。キョロキョロして歩き回るリジーの後ろを、通りかかったダーシーがさりげなさを装いながらしっかりとリジーの後姿を視線で捕らえてました。その 目線の強さ ったらもう・・・!!
ドキューンと私の方が射抜かれましたよ。リジーは気づいてないけど。私でごめん(笑)。
まぁ、ダーシーもリジーを探してたんだろうけどさ。
ちくしょう、あのシーンだけでこの映画は成功だ(笑)。ダーシー氏の魅力を最も有効に表現したシーンでした。
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「あの子を探して」
あの子を探して

1999年/中国/監督:チャン・イーモウ/出演:ウェイ・ミンジ 、チャン・ホエクー 、チャン・ジェンダ 、カオ・エンマン

これ、皆さん本人役で出てるんですね~!
や、物語は作ってあるんでしょうが(どうなの?)、自分の名前の役のようです。

ある山村の小学校の先生が、母親の病気で長期休暇を取る間の代用教員として、ミンジという少女を連れてきます。
教師というには、あまりに幼い。中学1年生くらいでしょうか?
子供たちがどんどん学校を辞めていく環境のなかで、1ヶ月の間誰もやめなかったら、お金をあげる、と言われたミンジは、必死になって子供たちを見張ります。

最初の頃は、ミンジの幼さに腹を立てながら観てたんですよ。
どう見ても、子供が子供を教えているので、あぶなっかしい。むしろ、学級委員の女の子の方が大人なのでは・・と思わせられるシーンもあり。
とにかく、アバウト。
そして、子供を学校に引き止めることに関して、すごく頑固。
でも、ミンジにしても、病気の母親の代わりに代用教員として来たのです。お金にあれだけ固執する彼女を見ると、中国の山村の貧しさを思い知らされます。

そして、問題児ホエクーが、ある日いなくなる。母親が病気になったので出稼ぎに出たのだということでしたが、一人も学校を辞めさせてはならないと、ミンジは街までホエクーを迎えに行く決心をします。

印象的だったのは、街での大人たちのあまりの冷たさ。
急激に発展を遂げている国だからこそ、貧富の差が激しく、そのことに無頓着になるのかもしれません。枯れ草に緑色のスプレーかけて、“緑化計画”とか言う国だからなぁ・・・
高度経済成長時の日本を何となく彷彿とさせる気がします。。

少ない手段で、どんなに冷たくあしらわれても、一途に食い下がるミンジに、頭が下がります。
ドキュメンタリーを見ているようで、だからこそ、ラストのホエクーに心を動かされるのでしょう。
「家庭」
家庭〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選3〕 [DVD]

1970年/フランス映画/監督・脚本:フランソワ・トリュフォー/出演:ジャン=ピエール・レオ、クロード・ジャド、松本弘子、クレール・デュアメル、ダニエル・セカルディ、バルバラ・ラージュ、ダニエル・ブーランジェ

アントワーヌ・ドワネルシリーズの第4作。
新婚の可愛い妻がいながら、日本人女性と浮気するアントワーヌ。そして逆ギレするの巻。

コ、コメディ??何か、だんだん雰囲気が変わってきてるような・・・
色々遊んでましたね。近所の芸人さんがテレビでやっていた音声模写のネタのなかに、第3作の「夜霧の恋人たち」のシーンもありました。(続けて観なかったら気がつかなかったなぁ。)
日本人女性の描写については、敢えて何も言うまいて(笑)。外国の映画では、こんなものです、ホント。
コメディとして観たら、テンポも良く、オチも面白かったです。

ビジュアル的には、やっぱりすごくツボです!ボンジュールの国、万歳!
アントワーヌの見た目も好きだし、ファッションも好き。恋人(奥さん)のクリスチーヌがまた可愛くてさ~!丸くボリュームのあるポニーテールに、膝上のコート、バイオリンを持つ姿がもう、ドツボ!
マドモアゼル、と言われて「マダムよ!」と高らかな声で言い放つ初々しさったら、ありませんvかーわーいーいー!
「夜霧の恋人たち/アントワーヌとコレット」
夜霧の恋人たち/アントワーヌとコレット [DVD]

1962、1968年/フランス映画/監督・脚本:フランソワ・トリュフォー/出演:ジャン=ピエール・レオ、デルフィーヌ・セイリグ、ミシェル・ロンダール、クロード・ジャド、ダニエル・チェカルディ

フランソワ・トリュフォー監督「大人は判ってくれない」のアントワーヌ・ドワネルのその後のシリーズ第2作と3作。
あの萌えをくすぐる子がこんなことに・・・
なんていうか・・・
アントワーヌって、こういう大人になったんだ・・・。
と、ちょっとショックを覚えました(笑)。いやまぁ、ちょっと予想はできたけど・・・裏切れよ、裏切ってくれよアントワーヌ。
ダメ男、アントワーヌ。
不器用で可愛いと言うこともできますけどね。
楽しい誘惑に弱くて、自己中心的なアントワーヌ。批判的でイヤな言い方、いつも自分が正しいと思ってる。でも、実はすごく弱気。
フランス人の男ってこうなのかー!

この2作では、17歳の青春から、結婚までを描いています。

第2作は、不器用っていうか、どう見てもストーカーとしか言い様のないアントワーヌの可哀想な片思いの巻。
第3作辺りから、ダメ男っぷりが顕著に現れるように。何故か人脈は広くて、好かれるんですよね。それにどっぷり甘えておいて、誘惑に勝てず、恩を仇で返すアントワーヌの巻。

何となく。何となくですが、これは男性から見たら、すごい“分かる”、本質を掴んだ作品なのかなっていう気もします。私から見たら、「キーサーマー!」と胸倉掴みたくなる男ですけどね、アントワーヌ(笑)。

ビジュアル的には、やっぱり大の好みですv
「神様とその変種」


2009/NYLON100℃/作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/出演:峯村リエ、みのすけ、大倉孝二、犬山イヌコ、植木夏十、廣川三憲、長田奈麻、藤田秀世、水野美紀、山内圭哉、山崎一


浮浪者風の男性が、舞台に出てくる。
「神様で~す。」

「この舞台は、冒頭で神様が出てくるような舞台です。しかも、自分で神様ですって自己紹介してしまってます。この時点で、客席から“しまったぁ~!”って空気が流れるんですけどね。」


この時点で、この舞台絶対面白いと思いました(笑)。
つか、あのオープニングはムチャクチャカッコ良かったなぁvv

3時間という長さを感じさせない、先が気になって仕方ない舞台でした。物語の展開としても、テーマの重さを忘れさせる笑いの数々をとっても、最高の舞台でしたよ。
とにかく、台詞の言い回しとあの 間 がたまりません!
あれはナイロン、つか、ケラさん特有ですよね。大好きだ。

物語はサスペンス風味。
動物園の向かいにある家が舞台で、その3階にはいじめられっ子の男の子ケンタロウ(みのすけ)の部屋がある。
主役は、その子の母親(峯村リエ)。ですよね。
彼女は息子を守ろうと必死で、息子のこととなると、何かおかしい。
父親(山内圭哉)は風呂場で何かを焼いているよう。風呂に入ろうとする息子を必死で止める母親の姿から、何か変だな~と思った頃。刑事が登場し、どうやらこの家を訪れた人の多くが、何故か連絡が途絶えてしまっているらしい。

行方不明になった家庭教師の代わりの、新しい家庭教師に水野美紀。
向かいの動物園のゾウの飼育係で、自称ケンタロウの親友が、大倉孝二。
そして、ケンタロウが暴力事件を起こした相手の男の子の両親に、山崎一、犬山イヌコ。

とかいうと、ムチャクチャ暗そうじゃないですか(笑)。
勿論、重厚なテーマを失わず、それでいて終始笑いが絶えない。

劇中、何度も忘れた頃に登場する自称神様の浮浪者がいい。結局彼の正体が何だったのか・・・(笑)。

役者陣の好演っぷりも素晴らしい!
峯村さんのあの鋭いきりかえしがたまらない(笑)!
大倉孝二、やっぱり凄い好きです(笑)。ナナメ前くらいの女性が、彼が言葉を発する毎にハマっていらっしゃって、そっちにもちょっとウケました(笑)。よっぽど好きなんだなぁ。
みのすけさんは、あの年齢で小学生が違和感ないって凄すぎですよね(笑)。ピュアさを演じるのって、闇の強い人を演じるより難しい気がする。(「ガラスの仮面」の「二人の王女」のように。笑)
山崎一さんは、やっぱり可愛いvv彼の纏う空気はほんと、どツボです。
犬山さん(ポチたまのナレーションや、ニャースの声をされてる人っていったら、大抵の方がご存知でしょう)は、年齢・性別を超えて変幻自在に演じられる方、というのが、すごい実感されました。つか、本当の年齢・性別でいえば、今回の役が1番自然なのですが、だからこそ、ですね。今までのすごさが改めて分かりましたよ。

登場人物それぞれの、優しさと弱さと狂気と。観ている人たちは、彼らのどこかの心理に、闇に、共感するのかもしれません。
私は犬山さんの狂気が、個人的にグサリときたなぁ。人からは滑稽に見えるのかもしれないが、実際にああいう要素を持ってるかもしれないなぁ、と思うと笑えなかった。
考えてみれば、この家の向かいが動物園ってことはさ、観客の目線は、動物園の動物たちが、人間たちのこの真剣で一生懸命な、滑稽な顛末を観ていたってことなのかもしれませんね。なるほど、なるほど。

脚本・演出と、役者の演技とが、見事に完成度の高い舞台でした。
生ナイロンは2回目ですが、やっぱり好きだ。
次の舞台も絶対観に行くと思います!!


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