「父親たちの星条旗」
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2006/アメリカ/原作:ジェームズ・ブラッドリー、ロン・パワーズ/監督:クリント・イーストウッド/出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、バリー・ペッパー、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ジョン・スラッテリー、ポール・ウォーカー、ジェイミー・ベル、ニール・マクドノー
「硫黄島からの手紙」
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2006/アメリカ/原作:栗林忠道/監督:クリント・イーストウッド/出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、裕木奈江
公式サイト:ttp://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
太平洋戦争の最大の激戦と言われた、硫黄島での戦いを日米両方の視点から描いた作品。
どちらにもヒーローはなく、どちらをより非難するでもない。
ただただ、双方が見た地獄を、容赦なく描いた作品でした。
双方とも、映画としての完成度はありますが、両方とも観た方が戦争というものがとてもよく分かると思います。
反戦の叫びには、どうしても自国の犠牲が基盤になってしまう。でも、この映画は本当に公平で、こういう映画を作れたことが、素晴らしいです。イーストウッド監督、本当によく戦時下の日本の状況を調べられましたね。正直、侮っていた、と思いました。それだけ驚きました。
いやだって、大抵の場合はハリウッド映画の描く日本は、日本じゃない。
日本人が作ったのではない、日本軍を描いたもの。戦時下の日本を描いたもの。きっと、この映画を観るアメリカ人の方にも、正しく伝わったということですね。それだけでも、この映画の価値はある。
そして、そういう映画を作った方だからこそ、日本人も「父親たちの星条旗」を正しく受け入れるんじゃないかなぁ、と思います。
考えてもみなかった、苦しみを。
私の祖父も、戦争へ行った経験があります。
親からその事実を聞いたことがあるだけで、本人の口から絶対にそのことは出ません。
そのときの地獄だけでなく。
本当に、人生全てを変えてしまうほどの。
生きている限り、その傷を忘れることはできない。自分のしたことを忘れることはできない。
そんな、生き地獄の中で生きる、苦しみを。
日本からは、こういう公平な戦争映画は生まれない。
やはり、表現が自由であるアメリカならでは、なのでしょうね。イーストウッド監督、ありがとう!!
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