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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「中国の鳥人」
中国の鳥人 [DVD]

1998/日本/監督:三池崇史/原作:椎名誠/出演:本木雅弘、石橋蓮司、マコイワマツ、奥田智彦

椎名誠の短編が原作です。
この方の短編に一時期ハマってて、この作品も原作で読んだことがあります。



これをどうやって映画化したんだろう?と不思議に思っていたんですね。
というのも、原作の短編は、日常の世界から不思議な世界へ迷い込むような、背筋をゾクリとさせる怖い物語なんです。
その中でも、この物語はとても幻想的で、印象深い物語でした。

中国の奥地に出張で行く羽目になったサラリーマン(本木雅弘)。ものすごい苦労して辿り着いた雲南省奥地のその村では、鳥人の伝説が信じられ、学校で鳥人になる訓練を行っていました。
これね、到着までの苦労が本当凄くて、私が中国に旅行に行きたくないって思っていた一番の原因がこの原作のせいだと思うんですよ(笑)。

映像化しないで欲しいと願っていた(映像化はされてませんでした!)シーン。
(原作のシーンです、あしからず)
トイレに行ったときに、壁全体が何やらゆらゆらと動いてて、何だろうと思って触れたら、虫の群れがザーッと移動した、というエピソード。

読みながら血の気が引いてました。
忘れられません!

このシーンはなかったけれど、色々と・・・大変そうでしたよ(笑)。

これね、この映画は原作を知らない方が素直に見れて良かったかもしれません。私はつい、見比べてしまいましたから。
さすがに、ラストは原作とは違いました。
原作の怖さはなく、ただただ、切なくなるような、胸の締め付けられるラストでした。
これはこれで、すごく良かった。

怪しげな通訳の中国人や、旅を同行することになった暴力団とか。出てくる人がすっごく個性的で面白かったです。
声上げて笑うシーンもたくさんありましたし。
それに、村のシーンがすごく綺麗でした・・・!

失ったものへの憧れと思慕。
笑いと切なさが入り混じった物語です。
映画として、かなり上質な作品ではないかと思います。
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「わが青春のマリアンヌ」

1955/フランス/監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ/出演:マリアンネ・ホルト,イザベル・ピア,ピエール・バネック

かなり古い映画です。なので、森の中のシーンとか、何故か明らかに背景が写真(役者の影がうつってる)だったりするのは仕方ないかと思いますが・・・
面白かった!
っていうか、無茶苦茶ツッコミどころの多い映画でしたよ。

霧の湖のほとりの寄宿学校が舞台ということで、期待は高まります。
主人公の転校生ヴァンサン。彼への賛辞から、物語は始まります。


“いつもと変わらぬその日。僕らは知らなかったが、森の獣たちは君の到着を待ちわびていた。”

“犬は君に見とれ、鹿が出迎えた。君の放つオーラに僕もすっかり魅了された。君には生まれながらに不思議な力が備わっていた。”




一体どんな美少年が・・・!

私の期待が最高潮に高まったとき、ヴァンサンは画面に現れました。



しまった、騙された・・・!!

予想外の展開に、本当にびっくりしましたよ。いくら時代が違うといってもさぁ・・何より、とても10代の少年には見えないんですけど!
見えなくても10代の少年。
見えなくても美少年。
ということで、彼の制服姿は短パン。



手を腰に置く様が何だか・・・
どう見ても少年と言うには無理がある大人に見えますが?
ヴァンサンだけでなく、登場人物の生徒たちがどうしても子供に見えなくて、そんな彼らが“秘密基地”だの“合言葉”だの“ギャング団”だの言ってるのは、非常に痛々しいものがありました。
フランス人は、きっと少年たちも老けて見えるんですね。

邪念に邪魔されなければ、非常に面白い物語だったと思います。
やー、もうビジュアルに邪念を抱きっぱなしでしたけどね。

気になるのは、リーザという女の子。
(ネタバレ反転)
振られた腹いせにヴァンサンの友達の鹿を殺してしまうリーザ。彼女は鹿たちから報復を受けますけども。
踏み潰されたリーザは、生きてるの・・・!?
淡白に流されましたけども。
どうなったのか気になります。。


ちなみに、ミニ知識。
ヴァンサンが恋するマリアンヌを、寄宿学校の生徒たちは青春の憧れの象徴として見ます。
青春時代のプラトニックで初々しい恋情の象徴が“マリアンヌ”。
かの名曲THE ALFEEの「メリーアン」は、マリアンヌのことらしいです。英語読みしてあるんですね。多分。
また、「銀河鉄道999」のメーテルのモデルもマリアンヌらしいですね。

当時、少年たちの心をくすぐった映画なのでしょう。
霧の古城、森の中。囚われの姫君。
キーワードだけで、お腹いっぱいになるくらいステキな設定ですv
ヴァンサンのビジュアルさえ気にならなければ・・・
や、一般的には彼は美少年なのかもしれないですね。もしや気になるの私だけ?
「ミリオンズ」
ミリオンズ スペシャル・エディション [DVD]

2004/イギリス・アメリカ/監督:ダニー・ボイル/出演:アレックス・エテル、ルイス・マクギボン、ジェームズ・ネスビット、デイジー・ドノヴァン、クリストファー・フルフォード

公式サイト:ttp://www.millions-movie.net/

母親を亡くして、引越しして新しい生活を始めようとするパパと幼い兄弟。
ある日、小さな弟が作ったダンボールの家の上に、大金の入った袋が落ちてきました。
税金がかかるから届けずに全部使ってしまおうという兄アンソニー(10歳)、きっと神様の贈り物だと思う弟ダミアン(6歳・・だっけ?)。
しかし、ちょうどイギリスはポンドからユーロに変わる時期で、12日後にはポンド紙幣は使えなくなってしまう。
この兄弟は12日間で、どうやって22万ポンドもの大金を使い切るのか。

とにかく、映像がポップな配色でキレイ。
こういうの好みなんだよなぁ(笑)。小学校の制服の色とか、体育で使用してたでっかいボールの赤(記憶では・・)とかが、すっごい映えてて、綺麗でした。

そして、兄弟が可愛い!
現実主義でしっかり者のアンソニーの、10歳とは思えない発言の数々に笑いました。すごいなー、この子。
パパに「本当にオレの子か?」って言われたシーンは本当に可笑しかった!きっと、キレ者の大人に成長してくれることでしょう。
弟のダミアンは何故かキリスト教の聖人に詳しくて、妄想なのか幻なのか、本当に見えるのか分かりませんが、やたらと聖人に話しかけられます。
ただ、妙に小知恵のようなものを授けてたりもするので、もしあの聖人たちが妄想だったら、あの小さなダミアン、すごい子なんですけど・・!
神様の贈り物だと信じるダミアンは、正しい使い方をしたい、と貧しい人々にお金を寄付して回ります。
幼いゆえに、「その人に言っちゃダメー」「わー、あげるべき人はその人じゃないよ!」と思わず焦ってしまうこともありますが、ダミアンのまっすぐな瞳は本当に可愛い。

小ずるい感じのするアンソニーも、本当はちょっと(?)変わったダミアンをいつも心配する優しいお兄ちゃん。
スリルと楽しさと、暖かさを感じる、とても良い映画です。
「ヘアスプレー」
ヘアスプレー DTSスペシャル★エディション (初回限定生産2枚組) [DVD]

2007/アメリカ/監督:アダム・シャンクマン/出演:ジョン・トラヴォルタ 、ニッキー・ブロンスキー 、ミシェル・ファイファー 、クリストファー・ウォーケン 、クイーン・ラティファ 、ザック・エフロン

ミュージカル映画とは知っていたんですが。
ネタバレ反転↓
歌のシーンしかないっ(笑)!ディズニー映画ですら、せめて半々ですよ。歌のシーンと演技のシーンと。
歌が終わったと思ったら、すぐに次の歌が始まるんですもの。
ちょっと疲れますねぇ。あれは。
楽しかったのは楽しかったですけど。
こう言ってしまっては元も子もないですが・・・あれはブロードウェイで舞台で観た方が良かったかも?映画にする意味があったのかなぁ(本当に元も子もない)。
物語自体は、とても面白かったです。
ブラックコメディということでしたが、あまりにそのまんまなのでびっくりしました(笑)。
「月に一度のブラックデイ!」(耳ではnegroと聞こえてました)
って言われた日には、飲んでたお茶吹きそうでしたよ。

ちょっ・・・直球!
サウスパーク並!

ニッキ(トレーシー)が可愛いvあれだけ前向きで、自分の意思や正義をしっかり信じることが出来て、しかもそれを行動に移すことができる子っていうのは、いませんよ。
彼女のパワーは、周りの人を幸せにしますね!

デモのときのクイーン・ラティファ(メイベル)の渋いブルースがカッコ良かったです。音楽もダンスもやっぱり黒人はカッコいい。

実はちょっと、ザック・エフロン(リンク)が観たかったのもあったんですけど。ハイスクール・ミュージカルのときほど顔が濃くないですね(そこ?!笑)。髪型のせいかなぁ。めざましテレビ出演時もリクエストされてましたが、彼のウインクはいいなぁ・・(笑)。
余談ですが、ザックについては“最初はカッコイイと思わなかったけど、歌ってるところを見てると気がつくと好きになってた”という方が多い。ちなみに私も(笑)。なーんか、可愛いんだ、彼。
今後、役によっては大成するかも?!

トレーシーの友人のペニーが可愛いなぁ・・と思って観ていたんですが、彼女「ロイヤルセブンティーン」に出てた子ですね。この子も今後が楽しみです。

でも
何よりも注目すべきはママ役のトラボルタですよね・・・

や、正直。あそこまでやるとは思いませんでした。
すげー、トラボルタ。思わず口開けて観ちゃいましたよ。
役者魂に乾杯です。

トータル的には、まぁ面白かったかな、と。あんまり何も考えずに、楽しめる映画です。
「ニライカナイからの手紙」
ニライカナイからの手紙 [DVD]

2005/日本/監督:熊澤尚人/出演:蒼井優 、平良進 、南果歩 、金井勇太 、かわい瞳 、比嘉愛未

竹富島の色彩溢れる風景。
小さい頃に家を出て行ってしまった、離れて暮らす母親から、誕生日に毎年届く手紙。
高校を卒業した風希は、父親の形見のカメラを手に、母親のいる東京へ出て行く。

とにかく、主人公の風希、ていうか蒼井優がすんごい、いい。
彼女が画面のどこかに出ているだけで、何故かとても瑞々しい気分になります。自然に溶け込むような女の子なのに、目が追いかけて離せません。
そして、竹富島の溢れる、色、色、色・・!画面から、空気や匂いまで伝わってくるようでしたよ。

ストーリー的には、途中で、「ああ、もしかしたらそうかな・・」と思わせる部分もあり、予想できる展開ではあったのですが、分かっていた展開のはずなのに、嗚咽を漏らすほど泣きました。
ネタバレ反転↓
母親からの最後の手紙や、それまでの手紙を読み返すシーンなど、もう、暖かさと切なさとが混じって、嬉しいような悲しいような、とにかく感情が溢れて止まりませんでした。
でも、一番胸に来たのは、家に駆けて帰ってきた風希が、ひととおり泣いた後にぼんやりしているところに、島の人たちが大勢集まってきて、一人一人風希に声をかけていくところ。
島の人は皆、この日が来るのを知っていたのでしょう。
そのときに、島の全員で風希を守れるよう、いつもいつも風希のことを見守っていたのでしょう。
なんて、暖かいんでしょう。
人の優しさが、こんなに胸を打つなんて。

風希の、「ありがとうね。」っていう言葉がすごく好きでした。
早朝に、皆が竹箒で家の前を掃くシーンもとても好きでした。決まりというわけでもなく、そうするのが当然、のような。
短パン掃いた若い女の子も竹箒で掃いてましたものね。


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