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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「ティム・バートンのコープスブライド」
ティム・バートンのコープスブライド 特別版 [DVD]

2005/イギリス/監督:ティム・バートン、マイク・ジョンソン/出演(声):ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、エミリー・ワトソン、トレイシー・ウルマン、アルバート・フィニー

BSにて視聴。実は、日本語吹替だったため、上に書いた出演陣は全く関係ないです。ジョニー・デップが彼をどう演じるんだろう!またの機会に、吹替でないver.を観たいですね。

結婚式の誓いの言葉を練習中に、うっかり死体の指を枯木だと思って指輪をはめてしまい、死者の花嫁に死後の世界へ連れて行かれてしまった、内気なビクター。
気弱な青年の、どっちつかずだったり(笑)、その場しのぎだったり、優しさだったり・・・「どうすんだよー!」と、ハラハラ心配させられながらも、後半のビクターの誠実な男らしさにトキメいたり、

とにかく、楽しかった!!です。

ビクターが結婚するはずだった人間の花嫁、ビクトリアも深窓のお嬢様ながら、中々骨太だし、死者の花嫁エミリーはすごく健気だし、とにかくキャラクターが魅力的でした。
切なく胸のうずく、ステキなラブストーリーでした。

実際、あんな風に死者の世界があるのかどうかは分かりませんが・・・

キリスト教的(?)死後の世界は、やっぱり地上より下にあるんだなぁ・・と思いました。日本では、天国って上のイメージですよね。地獄は下だけど。あれは、天国ともちょっと違うような気もしますけどね(笑)。
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「時をかける少女」
時をかける少女 通常版 [DVD]

2006/アニメ/監督:細田守/原作:筒井康隆/声の出演:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月、 垣内彩未 、関戸優希

前知識なく、観たのですが。
後から調べてみたところ、尾道三部作の「時をかける少女」の続編なのですね。時代だけ変えての、そのまんまのリメイクなんだと思ってた~。あの映画での主人公が、今回脇役に回り、主人公の心情を紐解く重要な役割を担う。
そーか、それであんなにあの写真がアップになったのか(笑)。あの絵と関係があるのか、それともあの人と関係があるのか・・とすごい勘繰りましたよ。タイムリープのことも、「年頃の女の子にはよくあることよ」とか言ってたし。最初聞いたときは、一体どんなストーリーなのかと。。
和子おばさんと、真琴と、二人の行動の違いをみるっていう楽しみ方もあるみたい。こうなると原作も気になるなぁ!

観ている間は、とにかく切ない青春映画。
主人公の真琴は、高校生・・なの?にしてはちょっと幼すぎますが、ああいう子供っぽい時期を、中学生の頃であれ、小学生の頃であれ、過ごしてきたんだよなぁ、って妙に懐かしく思ってしまいます。
かなり考えが足らない、大らか過ぎる子ですが、まぁ、だから良かったんだろうなぁ、と思います。
初めての気持ちへの戸惑いと、どうにもならない切なさ。
何かもう、自分の初恋を思い出しちゃいます。奥華子さんのEDがまた、たまらないですね。

終わってから考えてみたら、確かに、腑に落ちない点もたくさんありました。
でも、そういう解釈も、個人に任せるタイプの映画ということでいいんじゃないかと思います。
私たちは、真琴に思いを重ねる。
真琴がこれから選ぶ未来は、私達一人一人の希望。

さて、ネタバレ反転↓
とりあえず千秋。つか、本当にこういうことを気にするのはアレなんですが(笑)。
アイツは転校してきたって言ってましたが、どうやって学校にもぐりこんできたんだ??そして、どうやって普段暮らしているの?!お金たくさん持ってきたのかな。
それに、真琴につきあおうって言ったり、ある未来でゆりちゃん(だっけ?)と付き合ったり、あいつはいつまで居る気だったんだ・・・
それとも、真琴がタイムリープを使ったことで、別の千秋になってたとか?

そして、帰る間際のあの言葉。
「未来で待ってる」
あの言葉の、真意はなんだろう。
真琴はその言葉を聞いて、未来への希望を思った。
未来で会うというのが、どういう形なのか。
そもそも、千秋は現在より何年先の未来からやってきたのか(言ってませんよね?)。

帰れなかった千秋の説明や、このときの言葉や、何だか全部説明しきれてないような感じがあったのですが、私達が受け取った解釈それぞれで、いいということかな、と思いました。
ちょっともう一度後で見直したいところですが。記憶を整理してみると、
彼がいた未来は、人口が少ない。空が小さい。自転車はない。野球もない。
どう考えてみても、あんまり良い未来ではなさそうです。

さらに、彼がこの時代に来た理由は、
千秋の時代では焼失してしまった絵を見にきたということ。
この絵が、未来と関係があるのか、と真琴は聞いた。千秋は答えなかったけど。
和子おばさんの説明によると、ウロ覚えですが、
世界が苦しかった時期に、描かれた絵だということ。
あの絵が、辛い時期に人々を救った絵だとしたら。
その絵を見ることだけを目的にタイムリープしてきた千秋は、その絵に何を求めていたのか。

焼失、ということを考えると 戦争?
もしくは、環境破壊。

これから私達が迎える未来は、このままでいくとその絵は焼失されるのです。
その絵を守るということは、単に絵を無事に未来へ届けるということではなく、空の青い、真琴みたいに元気な女の子が走り回る、夏休みのキャッチボールみたいな平和な一日を、千秋の時代に届けるという意味かもしれません。
未来で待ってる、というのは、例え生きて会える時間の隔たりではなかったとしても、繋いでいく未来が、真琴を感じさせるものであったなら。
真琴は、これから千秋へ未来を届けることができるんですもの。そういう繋がりは、希望になりませんか?
この大事な約束が、これからの真琴の心の支えになるのでしょう。

千秋に届けたい未来がどんなものか。
それは、私達一人一人が感じたこと、私達が真琴に重ねる思い、なのではないかと思います。

千秋に二度と会えないと思ったあのとき。
私も真琴といっしょに、また会いたいと思った。もう一度会いたい、と。
もう一度千秋に会うために、希望ある未来を作りたい。
そうしたら、想像できる。
真琴の思いを受け取った千秋を。
あの絵の前にいる千秋や、青空の下で、真琴みたいに元気な女の子と走り回る千秋を。
「ストレンヂア/無皇刃譚」
ストレンヂア -無皇刃譚- 通常版 [DVD]

2007/アニメーション/ボンズ/監督:安藤真裕/声の出演:長瀬智也、知念侑李、竹中直人、山寺宏一、石塚運昇、宮野真守、坂本真綾、大塚明夫

怪しげな異国の戦士たち。
彼らに追われる一人の少年。

少年と偶然関わった浪人が、大きな陰謀と運命に巻き込まれていく。

とにかく・・・
とにかく、戦闘シーンが多い。しかも、結構残忍な戦い方で、それをしっかり描いているものですから、苦手な方は苦手だと思います。
でも、戦闘シーンをリアルに描くことが、物語のテーマにも大きく関わってるんだと思うから、しょうがないですけどね。

正直、血の匂いに圧倒されて、きちんと人物の心情に沿う余裕がありませんでした。ただただ、伝わってきたのは、多くの恐怖。それを感じることで湧く、生きている実感。

とても、苦しくて切ない物語でした。後で放心するような。
「スカイ・クロラ」

スカイ・クロラ [DVD]

2008/アニメ映画/プロダクションI.G/監督:押井守/原作:森博嗣/出演(声):菊地凛子、加瀬亮、谷原章介、栗山千明、山口愛、平川大輔、竹若拓磨、麦人、大塚芳忠、安藤麻吹、兵藤まこ、西尾由佳理、ひし美ゆり子、竹中直人、榊原良子

公式ページ・・・ttp://sky.crawlers.jp/tsushin/

思春期の姿のまま、空で戦い続けるキルドレ達。
彼ら自身、何のために戦っているのか、分かっていない。

「それが、仕事ですから。」

毎日死と隣り合わせでありながら、だからこそ敢えて生きる意味を考えないようにしているのかと思って観ていましたが、彼らの感覚がマヒしてるのは、それだけが理由ではなかったようですね。

不都合なものには触れないようにする。
真実に怯えて足掻く。
ただただ、受け入れる。

色んな方法でこの運命の中、生きていくキルドレ達。
彼らの運命は、物語の中で少しずつ、観る者に悟らせるような作りになっています。
設定自体が物語の全容。後から、彼らの運命が分かっていくことによって、彼らの生の部分を忘れずにいられるのでしょう。最初から特異なシステムに組み込まれた運命だと知っていれば、違った目で見ていたかもしれない。

このシステムが人間にとって必要なものだとしたら、本当に人間って悲しい生き物ですね。
その皺寄せをくうのは、迷い続ける思春期の若者なのかもしれません。彼らの悲しい姿そのものが、人間の深い業なのでしょう。
子供には子供の視点で、大人には大人の視点で、心に深い爪あとを残す作品だと思います。
「怪童丸」
怪童丸/KAIDOHMARU [DVD]
2001/日本/アニメーション/IG PLUS/監督・脚本:若林漢ニ/出演(声):斎賀みつき、森久保祥太郎、日野由利加、折笠愛

平安時代、怨霊が貴族の世に翳りを見せる時代。陰謀渦巻く中で、人の心が生み出したゆがみが、世の中を闇に引きずり込んでいく。

中身を全然知らずに、タイトルと絵だけでケーブルで録画予約して観たのですが、超ツボ!!!
でもちょっと、マニアックですね。私は平安時代も全然イケる歴女(笑)なので、ある程度の知識はあったんですが、それがなければ一体何の話なんだか、世界観がまるっきり掴めなかったでしょう。
短い物語で、伝説を基に作られているので、説明不足な点も多々。

でも、私も最後まで気づきませんでした。
主人公があの人だったいうことに。

坂田公時。
どっかで聞いたことあるな、銀魂か?と思って調べてみたら。



♪ま~さかり かーついだ

あの人でした。熊に跨って馬の稽古してたあのおかっぱで赤い前掛けの少年じゃねーか!!

歌舞伎で登場するこの少年の名が、「怪童丸」。
うわあああ、そりゃツボな世界なはずだ!

このアニメでは、公時が少女であるという設定で、そのことが比較的早い段階で明かされます。足柄山で金太郎を拾い、金太郎を含む四天王と共にその後数々の伝説を残す、源頼光。らいこう、と読むんですね。よりみつだと思ってた。らいこうの方がカッコイイ!
頼光との、恋とも主従とも知れぬ絆の正体も、その曖昧さゆえに、妙に色っぽい。
公時のKY発言での妙な間合いも凄く好きです(笑)。あの間、神だと思う(笑)!!

あの時代が好きな私としては、登場人物に相当心躍ったんですけどね(笑)。茨木童子の正体に相当キュキュンってきました。や、まぁ、妥当か。あ、そうそう。後で調べたところ、茨木童子は相当美少年だったようですね!折笠さんであの姿で美少年っ!た、たまりませんよ。



平安時代というのは、恋や歌ばかりの平和な時代かというと、そういうわけではない。寧ろ、自らの権勢を誇るために、武力の代わりに陰謀で人を引き摺り下ろす。暗殺も多い、見えない部分での影が多い時代です。それゆえに京には恨みが蔓延し、怨霊がはびこる。
そして、疫病などは怨霊のせいだと信じられ、悪霊を退治する陰陽道が栄えたわけです。
このアニメは道長が全盛期のようですが、藤原道長という人の悪どさは凄い(アニメ内での説明はないですが)。本来なら摂政などに就けるはずもない五男坊なのに、兄さん達が次々とお亡くなりに。ラッキーだったんかもしれんけど。真相は闇の中・・・
この人のイメージを悪くしてるのは、この歌でしょうね(笑)。

この世をば わが世ぞと思ふ 望月の 欠けたることの なしと思えば

すっごい意訳すると、
世界はオレのもんだぜ、アーッハッハッハ!
って感じ?何でも思い通りだぜ!
つか、完璧に覚えてた自分にビックリだぜ!

勿論、この歌は当時のライバルが書いた資料から出てきたものだから、どこまで本当か分からないですけどね。牽制や皮肉でわざとイヤな言い方で言ったのかもしれないし。

この時代の魅力的なところは、こういう光と影の部分でしょう。
華やかに見えるけど、その裏には闇がある。その闇の部分を魅力的に描いた作品でした。人の心の脆さ、恨みの深さ。感情の揺れ。
ほっ、やっと「怪童丸」に戻りましたね(笑)。

絵も、好き嫌いは別れそうですが、個人的には儚さを思わせる色合いの淡さや線の細さが凄くツボでした。

ラストはちょっと曖昧で、色んな風にとれるような気もするんですが、それゆえに、後に残る作品ですね。
かなり彼らの伝説について調べてしまった・・・(笑)。


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