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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「メオト綺想曲」

2000/山崎一プロデュース/作・演出:長塚圭史/出演:山崎一、秋山菜津子、長塚圭史、澤田育子、新谷真弓、今江冬子、加藤啓、林和義、いけだしん、中山祐一朗

阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史作・演出。と、いうことで。

・・・・さすが長塚さん。
シュールすぎ。
のっけから放送禁止用語の連発(笑)。それにしても、フキコシの舞台の方が断然いかがわしいのに、全然音声消されてませんでしたよ。パントマイムって便利ですね!言わなきゃいいのか。そーか。
「メオト綺想曲」は、別の意味で見ていられませんでした・・・
ストーリー的には、冷めた夫婦、脚本家の奥さんと、仕事を失って後ろめたさで奥さんと向かい合えなくなった旦那さん。
世田谷区が日本から独立して、目黒区と戦争をしているという設定で、この夫婦の新築の家に、ある目的を持って集まってきた人々を巡って起こる奇異な展開と、夫婦の再生の物語。

ま、一言で言えばグロい(そういう意味で実は、ちょっぴり苦手なのです、阿佐ヶ谷スパイダースの舞台)。
世田谷に帰りたがっている兵士その①中山祐一朗さんが、登場したときから腹に穴が開いてて、アバラ骨が見えたまま。なのに断然元気でそれをギャグにするのですが。
「今アバラがちょっとグラグラしたじゃないですか!気をつけて下さいよ~!」
・・・笑えません、中山さん(汗)!!

長塚圭史さんの舞台は、展開が難しく、観た後で考え込んでしまいます。
「メオト綺想曲」もとても難しかったです。奇想天外で予想もつかないストーリーで、救われない気持ちでいっぱいになるんですが、ちょっぴり優しさと切なさを感じるラストでした。

グロさにはちょっとひいてしまうのですが、舞台というものを上手く使った、舞台でしかできない作品だなぁって感じました。
目の前で見ていたら、もっとその場の空気とか感じられて良かったんでしょうね。山崎一さんの表情とか、テレビで見ているとあんまり見れなくて残念でした。本当、彼の存在感はすごいんですよ!!
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「グッバイ、レーニン!」
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2003年/ドイツ/監督:ヴォルフガング・ベッカー/出演:ダニエル・ブリュール、カトリーン・サーズ、チュルバン・ハマートヴァ、マリア・シモン

友人のお母様に録画してもらったもの。
東西ドイツ統一のとき。ちょうどそのとき心臓発作で意識を失っていて、統一を知らぬまま目を覚ました熱心な社会主義者の母のため、主人公の青年は、統一を母に知られぬように芝居をするというコメディ・・なのかな?
東ドイツが西ドイツに呑み込まれるという形で統一され、東ドイツの中には西ドイツのものが溢れかえり、東ドイツのものは町から消えていく。
そんな中、ピクルスを探し回ったり、架空のニュース番組を作ったりという思わず笑ってしまうエピソードで、物語は進んでいきます。
逆に言うと、コメディタッチなのに、何だかとても切なくって苦しい気持ちになる。ラストの演説に、とても胸が締め付けられました。
主人公の青年は、東ドイツと、社会主義を愛し、国のために奔走する母親をとても愛していたのですね。

とても良い映画でした。
「スケッチブック・ボイジャー」

1995/演劇集団キャラメルボックス/作:成井 豊

スカパーの舞台専門チャンネルで録画していたもの。
キャラメルボックスの作品を見たのは初めてなんですが、ダンスが入るんですねぇ。ハジけた舞台で、とても面白かったです。

ストーリーは、地球を買った火星人カケルが地球に最後に残ったサッカー場を探すというもの。彼を追って婚約を迫る女性や、宇宙海賊、海賊課の刑事がドタバタ駆け巡りながら、進んでいくのですが、これはどうやら漫画家が描いているストーリー最終回だということが途中で判明する。
楽しくて、前向きになれる作品でした。
最近の舞台ってリアルすぎるものが多いので、逆に新鮮でした。
私としては、血がドバーな舞台よりも、こっちの方が好きだなぁ。

上川隆也が出ていたのですが。
あまりのハジけっぷりに、驚きました。今まで見たことのない彼でした。歌ってましたヨ・・・
でも、生き生きしてました。楽しかったです。
彼の舞台、他にも観てみたいなぁ。
一月になったのが、エンドロールで、「拳銃製作 上川隆也」って書いてあったのですが、これって小道具さんってことかしら?
拳銃に詳しいのかしら、上川さん。。
「世界でいちばん不運で幸せな私」
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2004年/フランス/監督:ヤン・サミュエル/出演:ギョーム・カネ、 マリオン・コティヤール、 チボー・ヴェルアーゲ

PG扱いである意味は、すぐに分かりました。
主人公のジュリアンとソフィーは幼馴染。あるとき、二人で始めたゲームが人生に大きく関わることになってしまう。
そのゲームとは、ジュリアンの幼くして失くした母親からもらった宝物、カルーセルの缶を持ったほうが「のる?のらない?」と聞いたとき、「のる!」と言うとそれがどんな要求であってもやり遂げること。
大人になるにつれて、その要求がどんどんエスカレートしていくのですが。
二人にとって不運だったのは、ゲームのせいで、お互いを愛してるという言葉ですらも信憑性を失ってしまったこと。

とりあえず、大きな試みの映画だったなぁ、と思いました。
ここまで徹底したことに、とりあえず乾杯。
正直、賛否両論の映画だとは思ったのですが、この映画は道徳的概念がどうとか、そういうものを総て取り払った状態で作ってみたものだと思います。
そういう意味では、本当に凄い映画だと思いました。
ラストまで突っ走ってましたものね。
多分、大抵の方が引いちゃうと思います(笑)。私も引きまくりながら見てましたもの。
道徳的にみれば、相当ひどい映画です。でも、芸術点で見れば、映画として凄い作品であることには変わりないですね。
映画を“作品”として見ることができる方に、この映画をオススメします。
こういう映画もあるのかという可能性を感じさせられます。
「SAYURI」
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2005年/アメリカ/監督 ロブ・マーシャル/出演:チャン・ツィイー 、渡辺謙 、ミシェル・ヨー 、役所広司 、桃井かおり

す、すいません。
すっごい面白かったです。
ていうか、ねぇ、ツッコんでいい?ツッコみたくてたまらない!!
映画の間中、言いたくてニヤニヤしっぱなしでした。終わって明るくなってから、皆で大爆笑(すみません・・)。
とりあえず開口一番、(ネタバレ反転↓)

会長さん、アンタ彼女が何歳のときから目ぇつけてたの!!

怖いわ、あれは親切じゃなかったのね!
ていうか、正直な話、会長さんのあれは親切っていうよりも気まぐれ道楽にしか見えませんでしたけど(謙さんがニヤけてたせいかもしれない)。
ていうか、そうならそうで、もっと早く言いなさいよー!
そして、頼まれたのなら、豆葉お姐さんも気を利かせなさいよー!
うっかり初桃さんにあてつけたときに延さんに気に入られちゃったのが計算外だったのかしら?

遠回りをした二人ですが、最後に語られたこと、「芸者は娼婦ではないけど妻にもなれない」ということ、あれは結局会長さんは芸者としてさゆりを好きだということなのでしょうか。さゆりも芸者として会長さんが好きだったのかな。芸者というものは、そういうものなのか。
「親切」以上何を望むのかと問われたとき、「愛」だって言わなかったのは、そういうことなのでしょうか。
うーん、難しい。奥が深いですね。

それにしてもあの台詞のところどころに日本語が混ざるのが可笑しくて仕方なかったのですが。
どうして「オネエサン」とか「オカアサン」とか「チヨチャン」とか「ノブサン」とかはそのままなんでしょう。(しかも言ってるのが中国人の方なので、馴染まない。笑)可愛いんですけどね。
そう、そこがそのままなのに何故「おカボ」は「パンプキン」なの(笑)!
可笑しくて可笑しくて仕方ありませんでした。
オネエサンが芸者特有の呼び方で固有名詞なら、おカボだって名前でしょう。
はーっ、でも綺麗でした、チャン・ツィイー。
サユリの術中にハマっていく周りの男性たちが可笑しくてならなかったです。延さんの、「お前も同じ気持ちのはずだ・・・それともそう思わされていたのか?」というのに妙にドキドキしてしまいました。気の毒な人でしたね・・。役所さん、恋愛ごとにはちょっと引いてる感じの役柄のイメージを持っていたので、ギラギラした役所さんにちょっとびっくりしました。怖っ・・

一つだけ腑に落ちなかったのは、“芸者は娼婦ではない”と言いつつも、水揚げ(処女を失くす儀式のこと)の値の競りが行われてましたが・・・それは体を売ってることにはならないのでしょうか?うーん。

映像的には、綺麗でした。伏見稲荷走ってたよ!ちゃんと京都ロケしたんですね。


楽しかった!何か期待していたのとは別の楽しみ方をしてしまった気がしますが、大満足です。
そういえば、テーマ曲、ヨーヨー・マが弾いてらしたんですね!私、ちゃんと聴くの初めてでしたが、すごく綺麗でした。もっと聴いてみたいかも!チェロの音の深みってたまらないです。


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