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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「にんじん」


1932/フランス/監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ/原作:ジュール・ルナール/出演:コレット・セガル 、ロベール・リナン 、アリ・ボール 、カトリーヌ・フォントネ

夫婦の愛情の冷え切った時に生まれたフランソワは、赤毛とそばかすのため、母親に“にんじん”というあだ名をつけられる。母のいじめと父の無関心にあい、そして・・・
どうやら、原作とは少し内容が違うらしいです(原作読んだことないですが)。
ネタバレ反転。↓
まるで実の子とは思えない母親の仕打ちを受けながらも、明るく振舞う“にんじん”の姿。目に見えないところで心が壊れていくのが、切なくて切なくてたまりませんでした。
母親を「奥さん」と呼び、父親を「ルピックさん」と呼ぶ。嫌いだと言いながら、一線を引いたような言い方をしながらも、心の奥底ではいつもいつも両親の優しさを求めていたんですね。
死にたいと願う少年。すんでのところで、父親によって救われるわけですが・・・
全てが解決したわけでは決してないし、少年が願うものが手に入ったわけでもないような気もするし・・・これからも辛い毎日が待っているような気がします。
結局、父親と息子というよりもずっと対等な関係で分かりあえたような気がしますが、そうすることで“にんじん”はフランソワになり、新しく生まれ変われるのかもしれません。
“家族”という枠の中での人間関係。フランソワの言うとおり、「家族とは共感し得ない人間たちが同じ屋根の下に集まっている所」なんですよね。そのなかで、どう生きていくか。色々考えさせられました。

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