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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「点子ちゃんとアントン」
点子ちゃんとアントン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

2000年/ドイツ/監督:カロリーヌ・リンク/原作:エーリヒ・ケストナー/出演:エレア・ガイスラー、 マックス・フェルダー

点子は裕福な家の女の子。同級生のアントンと大の仲良しだが、そのアントンは母親が病気で、代わりに彼が働いて家計を助けている。それを知った点子は、両親に「アントンを助けてあげて」と頼むのだが、両親は自分たちの仕事が忙しく点子には耳も貸さない。そこで、大人が頼りにならないとわかった点子は…。

エーリヒ・ケストナーの児童文学作品の映画化です。子供たちのピュアさが大人を変える、そういうところは同ケストナー作品「ふたりのロッテ」にも通じるものがありますね。こういう作品、大好き!

とにかく、これは社会で働く大人に見ていただきたいですね。何が、一番大切なのか。色んな社会のしがらみに捕われている大人たち、純粋に正しいことを正しいと言うことのできる子供の心を思い出したいときに、是非見ていただきたい作品です。
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「飛ぶ教室」
飛ぶ教室 [DVD]

2003年/ドイツ/監督:トミー・ヴィガント/原作:エーリヒ・ケストナー/出演:ウルリヒ・ノエテン、セバスチャン・コッホ、ハウケ・ディーカンフ、フレデリック・ラウ

ドイツの児童文学、エーリヒ・ケストナーの同タイトル作品の映画化。私の大ファンの作家さんなので、見る目は少し厳しかったのでは、と思うのですが、(笑)とにかく大大大満足です!!!最初から最後まで興奮しっぱなしで涙目でした(笑)。
時代が現代に変わっているとのことで、少しだけ不安はあったのですが、それもこれもきちんとケストナーらしさが表現できてて、すごい出来でした!犬の視点で始まるオープニングからしてツボ!!素敵!!
ヨナタンが予想以上に可愛い・・・!何だあのカッコ良さは!!髪の毛がー!あのクセっ毛は水玉のタイプど真ん中ですっ!
でも一番原作の印象よりも好きだと感じたのがマッツですね。仕草やら表情やら可愛すぎました。ムードメーカーですね!
ウリーの例の風船事件後のマッツの友情深い言葉には涙が止まりませんでした・・!
マルティンの存在がちょっぴり薄かったのが残念でした。原作では一番心を揺さぶった子ゆえに。。
セバスチャンもすごく好き!台詞にセンスがあるんですよね。。ウリーの可愛さは申し分ないですし、決意を語る台詞はとってもカッコ良かったですし!
ベク先生すごい素敵でしたvv生徒を叱りながらこっそりニヤリと笑って咳をして誤魔化すあたりがもうラブvvいい先生ですね!

児童文学といえど、大人から子供まで皆が楽しめる作品だと思います。ちょっと文部省推奨っぽい感じがしなくはないですが、そんなところも好きです(笑)。
ひたむきさが好き。一生懸命さが好き。何よりも友情を大切にする勇気が好き。正義を愛する誇り高さが好き。

ナチス政権下、抵抗を主張しつづけたケストナー、人生において何が一番大切なのかを強く語ったこの作品、改めてペンの持つ力って凄いな、と思います。
「名もなきアフリカの地で」
名もなきアフリカの地で

2001/ドイツ/監督・脚本:カロリーヌ・リンク/出演:ユリアーネ・ケーラー 、メラーブ・ニニッゼ 、レア・クルカ 、カロリーネ・エケルツ 、マティアス・ハービッヒ

すっごく、すっごく良かったです!アカデミー最優秀外国語作品賞で、雑誌やネットでの評価も高いことから、すごく興味があった作品だったのですが、これはすごい!!
監督さん、「点子ちゃんとアントン」の方だったんですね。画面の切り取り方がとても美しかったです。アフリカの広大さがすごくジーンとくる映像でした。
ナチス迫害からギリギリ逃れてアフリカの地へやってきた親子3人。アフリカでの生活の中で、それぞれが三様に変化していく様がとても興味深かったです。
私は、母親の心境に一番近いだろうなって思います。広大な大地の中で、悠々と暮らすアフリカの人々って、本当、神に近い存在に見える。人間というものが忘れてきた多くのものを思い出させてくれる気がします。
人見知りだったレギーナが伸び伸びと成長していく様が本当に見てて気持ちがいい。オウアとの深い繋がりがとても心に響きます。
すごく大切な作品です!これはもう、今まで見た映画の中でもかなりランキング上位ですよ!!
「エーミールと探偵たち」
エーミールと探偵たち [DVD]

2001年/ドイツ/監督・脚本:フランツィスカ・ブッフ/原作:エーリヒ・ケストナー/出演:トビアス・レツラフ、アンニャ・ゾマヴィラ、ユーゲン・フォーゲル


泣きました。
好きすぎて。

うわーーん、ケストナー最高です!!!大好き!!

これは私のケストナー好きを知ってる同期の友人がWOWWOWで録画したものをくれたんですが、も、もう本当大感謝です!!ありがとう!ありがとう!

この作品、私は原作を読んだことがないのですが、ケストナーの書く作品に共通する「家族愛」「子供の正義」がしっかり描かれていて、震えるほど感動しました。子供たちの手で一大プロジェクトが成されるのもケストナー作品ならではですよね!あああん、もう、子供たちが愛しすぎます!
「飛ぶ教室」の映画同様、この作品も現代化されており、携帯電話が出てきたり、ラップ歌ったりします。原作を読んだことのある方は、別の作品として見た方がいいとのことですが。
時代が違えど、多少の雰囲気が違えど、やっぱりケストナーですよ・・・!
夫婦喧嘩が絶えない家の子、お金持ちでも親がほとんど家にいない子、兄弟が多く、貧しい子。
そして、父子家庭で失業中の父親を持つエーミール。
決して幸せな境遇とは言えない子供たちが、とてもいきいきとしてるんです。子供は子供の視点で親を愛し、心配しています。親のために何でもすると言い切るエーミール。
エーミールはやっと就職できた父親が、交通事故を起こして免許取り上げ処分になってしまったことで、父親のために免許証を入手しようと(もちろん犯罪です・・)します。でも、ベルリンに向かう列車で、悪い男にお金を騙し取られてしまい、エーミールとベルリンで会った探偵団の子供たちで、お金を取り戻そうと奮闘するストーリー。
探偵団の子供たちが、皆それぞれ個性があって楽しかったです。
牧師さんの家にホームステイという名目でベルリンに向かったエーミールの代わりに牧師さんの家でエーミールになりきるジプシーの言動がハラハラするわ可愛いわで大変でした(笑)。
ジプシーと牧師さんの息子の書いた説教が心に響きました。そしてそれを読んだ母親の牧師さんの反応にも。
最後のパパのプレゼントもすごい嬉しかったです。や、予想はつきましたけど、全部それに遣ってしまうなんて!生活は相変わらず厳しいはずなのにね。エーミールと父親の、お互いを見る目の暖かさを見てると、とても嬉しくなります。

ケストナーのすごさは、ワクワクする子供視点の冒険物語でありながら、子供たちが自分の置かれた立場をしっかり知っていて、その上で生き生きと自分なりの正義を貫こうとしているところですかね。
私たちだって子供時代を過ごしている。でも、それをいつの間にか忘れてしまっているんですよね。彼らの台詞にはっとさせられてしまう人も多いのではないでしょうか。

まぁ、この映画の最大のみどころは、探偵団たちの活躍でしょうね!子供だからこそ思いつく一大プロジェクト。最高にワクワクしました。

原作も読みたいです!


一つだけ気になるのは、(↓反転)
最初の方で古着を盗んで捕まった子、エーミールを逃がしてくれた子がどうなったのか・・・ていうか、普通にそのままベルリンへ向かうエーミールにびっくりしたんですけど(汗)。ま、まぁ目的があったから捕まるわけにはいかなかったんだろうけど、それでいいのか!?とちょっとツッコミたくなりました。あの子もいい子だったけど・・・あれきり映画には後日談も出てなくて、心配です。
「ドイツ最高の探偵を逮捕するわけにはいかないな!」の一言で盗みがチャラになったのもどうかと・・・
「グッバイ、レーニン!」
グッバイ、レーニン! [DVD]

2003年/ドイツ/監督:ヴォルフガング・ベッカー/出演:ダニエル・ブリュール、カトリーン・サーズ、チュルバン・ハマートヴァ、マリア・シモン

友人のお母様に録画してもらったもの。
東西ドイツ統一のとき。ちょうどそのとき心臓発作で意識を失っていて、統一を知らぬまま目を覚ました熱心な社会主義者の母のため、主人公の青年は、統一を母に知られぬように芝居をするというコメディ・・なのかな?
東ドイツが西ドイツに呑み込まれるという形で統一され、東ドイツの中には西ドイツのものが溢れかえり、東ドイツのものは町から消えていく。
そんな中、ピクルスを探し回ったり、架空のニュース番組を作ったりという思わず笑ってしまうエピソードで、物語は進んでいきます。
逆に言うと、コメディタッチなのに、何だかとても切なくって苦しい気持ちになる。ラストの演説に、とても胸が締め付けられました。
主人公の青年は、東ドイツと、社会主義を愛し、国のために奔走する母親をとても愛していたのですね。

とても良い映画でした。


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