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映画・舞台・本の感想記録。さて、どの夢を見ようかな。
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「なまいきシャルロット」
なまいきシャルロット ニューマスター版 [DVD]
1985年/フランス・スイス/監督:クロード・ミレール/出演:シャルロット・ゲンズブール、ベルナデット・ラフォン、ジャン・クロード・ブリアリ

シャルロット・ゲンスブールの初起用作。
13歳の多感な少女時代。少し子供時代を卒業しかけた13歳という年齢。輝く未来への漠然とした希望と、今の自分との大きなギャップに揺れるシャルロットの物語です。

兄はバカンスへ出かけ、自分は家で留守番をする夏。誰かと会うといえば、近所に住む年下の女の子が遊びに来るだけ。
そんなシャルロットの前に、同じ13歳でプロのピアニストである天才少女、クララが現れる。
シャルロットは、自分とのあまりの違いに衝撃を受け、憧れて、自分も光輝くクララの人生に関わりたいと願う。

光り輝くものに憧れる時代を経て、今居る場所の幸せに気づくものです。
心の中にたくさんの“ざわざわするもの”を持ってるシャルロットの心の動きがすごく伝わってきました。
私にも経験ありますしね(笑)。
走って、悩んだ青春の日々を思い出す作品です。
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「友だちのうちはどこ?」
友だちのうちはどこ? [DVD]

1987/イラン/監督:アッバス・キアロスタミ/出演:ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマッドプール、ホダバフシュ・デファイ、イラン・オリタ

キアロスタミ監督の名を一躍有名にした作品。
うっかり友だちのノートを持って帰ってしまったアハマッド少年はノートを返すため、友だちの家を探す。
ただそれだけ、それだけがあらすじです。それがこんなに手に汗握る、どきどきする映画になるなんて!

このノートは特別。何故なら、ノートではなく紙切れに宿題をやって行った友だちは、次にノート以外のものに宿題をやってきたら退学にする、と言われていたからです。
母親にどれだけ説明しても、聞く耳持たず。宿題をせずに遊びに行きたい言い訳だと思われてしまう。子どもの声に耳を貸さず、「宿題をやりなさい。それが終わったら手伝いね。」しか言わない。この辺、母親の態度はひどいと日本人は思うかもしれませんが、イランの主婦はとても忙しそう。昭和の母親もそうだったんじゃないかな、と思わせられる感じの余裕のなさ。親が一生懸命働いて、親が絶対的な権力を持ってて、そんな中で辛い思いをしながら、子ども達は成長していくのよ。そういう生活文化なのだと思います。
途中での祖父の台詞も良かった。あそこで、子育てについてのイランの文化を聞かされたから、それまでの先生や母親の態度にも納得がいったのです。こういう、生活に根付いた映画はとても好きです。
アハマッド少年の友情へのひたむきさ。一生懸命、転げるように遠い道のりを駆けて行くアハマッドに、思わずキュンとしてしまいます。
一生懸命なんだけど、それが全部空回りするの。
要領の悪さを、一生懸命さでカバーしてる感じ。

アハマッド少年が最後に見つけた答えとは。

何とも粋なラストでした。しかしあれ・・・(ネタバレ反転↓)
字で先生にバレないんだろうか、とちょっと思ったけど、それは気にすべきところじゃないんでしょうね(笑)。
あの答えに辿り着くまでに、アハマッド少年がものすごい遠回りをして走り回ったってことに意味があるのでしょう。
「グラン・トリノ」


2008/アメリカ/監督・製作:クリント・イーストウッド/出演:クリント・イーストウッド、ビー・ヴァン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリー、コリー・ハードリクト、ブライアン・ヘイリー、ジェラルディン・ヒューズ

公式ページ:ttp://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

映画館にて観賞。
クリント・イーストウッドの最後の出演作品になるだろう、とのこと。ですが、私がイーストウッド作品を観たのは、これが初めてです。
とりあえずこのポスターの感じからいっても、まず私が選ばないタイプの映画だと思っていたのですが、全くもって印象が違いました。

驚いたことに、コメディタッチ。前半の気の利いた台詞の数々には、映画館の中に何度も笑いが生まれてました。
そのなかでの人と人との繋がりの真の部分の暖かさ。人生の苦みと、寄り添う優しさ。そんなたくさんの喜びに溢れてて、胸を突きました。

朝鮮戦争の帰還兵ウォルト・コワルスキー。どんどん変わっていく社会に対応できず、いつも眉をしかめて文句ばかり言っている。唯一の理解者であっただろう、ウォルトの奥さんのお葬式から、物語は始まる。
たった一人になったウォルトだが、息子たちも寄り付かず、孤独な毎日を送っている。
そんなとき、隣に住むアジア系民族の家族の息子と、同民族のギャング団とのいざこざが起き、結果的にウォルトが助けた形になったことで、この家族との交流が始まる。

戦争から帰ったあとで、社会情勢とともに、アメリカに住む人の人間関係も変わってくる。特に多民族国家であることは、アメリカの治安を脅かし、差別を生み、そのためにどれほど敵意と悪意の多い社会であることか。
アメリカが多民族国家であることは、世界の可能性のひとつだと思っているんですがね。あの国がうまくいくことは、未来の希望に繋がる。
ウォルトの隣に住むアジア系民族は、伝統を重んじる民族であり、誇りと感謝を忘れない民族。
コミカルなシーンなんだけど、ウォルトの家の前にたくさんの食べ物や花を置いていくシーンは本当に胸が熱くなりました。こういうのを忘れちゃいけないんですよね!

良い映画に出会いました。
こういう、中々どうにもならない難しいテーマを、暖かな笑いで描いた映画っていいですね!
「アラビアのロレンス」
アラビアのロレンス【完全版】 デラックス・コレクターズ・エディション

1962年/イギリス/監督:デヴィット・リーン/出演:ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、アンソニー・クイン、ジャック・ホーキンス、ホセ・フェラー、アンソニー・クェイル、クロード・レインズ、アーサー・ケネディ、オマー・シャリフ

なんと3時間40分の大作!!
世界遺産並の歴史映画。これを観ずして映画は語れない!と多くの方が言われているし、アラブにも興味があったので、観てみました。
実在の人物、T・E・ロレンス。トルコ支配下のアラブを導いて、解放に成功した人です。軍人であり、探検家、考古学者。学者肌でありながら、軍人のしての才能にも長けていたようです。
私、映画観終わるまでチャタレイ夫人の作者だと思ってたよ(D・H・ロレンスでした)!!観終わった後で、彼のことを調べて判明。そういえば、前にも「あ、違う人なんだ」って思った気がするなぁ。

自らの信念に基づき、見事に敵を打ち砕いていく。不可能を可能にする。
アラブ人たちにとって、カリスマ的な存在になっていくロレンス。
でも、人の生死の分かれ目の最前線にいることで、彼の精神はだんだん病んでいく。
電車の上で陽光を背に受けて立つシーンは本当、神のようでした。
でも、彼はカリスマであっても、神ではない。
前半のカッコよさと後半の病み具合が、英雄の光と影を見るようでした。後半の彼の表情・・・すごかった。

アラブの人たちが彼を“オレンス”って呼ぶのも何か可愛かったです。

蛇足?ですが、観た後に調べて分かったこと。(↓ネタバレ反転)
トルコ兵に鞭打たれて心挫けそうになった経験が、彼の精神崩壊の転機の一つだったと思うのですが。
どうやら彼はM気質らしく、むしろそのときに目覚めてしまったらしい・・・(汗)。“あのときに純潔を捧げてしまった”と著書で書かれていたようです。そ、そういうシーンだったのかあれは・・・
明らかにアイツが待ち構えてたからさ、ヤられないために必死で気丈に抵抗したシーンだと思ってた(汗)。
「アニー・ホール」
アニー・ホール [DVD]

1977年/アメリカ/監督:ウディ・アレン/出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ、キャロル・ケイン、ポール・サイモン、ジャネット・マーゴリン、シェリー・デュヴァル

大都会における恋愛物語。一応コメディなのかな。ラブ・ストーリー?
ウディ・アレンの容貌だけで、コメディに見えてしまいますが・・・でも、ダイアン・キートンはとても可愛かったです。

一言で言うと、“面倒くさい男”(笑)。
言ってることは強気なのに、心の中は超弱気なのが見て分かる。私だったら最初の5分で胸倉掴んでます。
あれを手のひらの上で転がせるようになれば、いい女になれるんでしょうねぇ。


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